COLUMN

2023.10.12 DX導入

BPO×DXで進化するビジネス〜BPO活用による企業のメリットとは!?

#BPO #DX #コスト削減 #業務委託

近年、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入は多くの企業にとって避けられない課題となっています。特に経営者やIT担当者にとっては、これらの施策を効果的に活用することが、競合と差をつける大きなきっかけとなるかもしれません。
本記事では、そんなBPOとDXの関連性やその利点について詳しく見ていきます。

1.BPOとは?

BPOとは「ビジネスプロセスアウトソーシング」の略で、企業が特定の“業務プロセス”を第三者の専門のサービスプロバイダーに一括で委託することを指します。
BPOは企業がコアビジネスに集中して取り組めるように、コストを削減し、効率を高めるために利用されます。

1-1.一般的なアウトソーシングとどう違うの?

一般的なアウトソーシングは、企業が特定の業務またはプロジェクトを、外部の専門家や企業に委託することを指します。しかし、これは一時的なものであることもあり、特定のスキルやリソースが必要な場合に行われることが多いです。
一方、BPOは「業務プロセス」全体を一括で委託することに対し、アウトソーシングは「特定の業務」を一時的に外部に委託することを指します。

1-2.BPOとアウトソーシングの違いについて比較

【業務の範囲】

BPO: 通常は継続的な業務プロセスが対象です。(例:カスタマーサービス、会計など)
アウトソーシング: 単発またはプロジェクトベースの業務が多いです。(例:特定のソフトウェアの開発)

 

【契約期間】

BPO: 長期間にわたる契約が一般的です。
アウトソーシング: 短期間またはプロジェクトが完了するまでの契約が多いです。

 

【戦略性】

BPO: 企業にとって戦略的な業務プロセスに関わります。
アウトソーシング: 単にスキルやリソースが不足している場合の補完として行われることが多いです。

 

【管理】

BPO: 委託先企業がプロセス全体を管理し、最終的な成果に責任を持つ場合が多いです。
アウトソーシング: 業務を委託する企業が管理を行うケースが一般的です。

 

【複雑性と専門性】

BPO: 複数のサブプロセスを含む複雑な業務委託になります。
アウトソーシング: 一般的には単一の、または非常に限られた数の業務委託になります。

 

このように、BPOとアウトソーシングは類似していますが、目的、契約形態、管理の方法などが異なります。この違いを理解した上で、目的に沿った手段を選択しましょう。

1-3.BPO導入の業務例

BPOに向いている業務は比較的定型化しやすく、自社の業務を支援するものが多い傾向にあります。
導入しやすい業務は以下が挙げられます。

 

〇カスタマーサービス

コールセンター業務をはじめ、チャットサポートやメール応対といった顧客対応はBPOの対象となります。

 

〇人事労務

人材採用や育成と聞くと、インハウスで進めることが一般的な印象ですが、面接・採用・勤怠管理・給与計算などの業務で、BPOを上手く活用している企業も少なくありません。

 

〇営業事務

営業事務は業務範囲が広く、取り扱う商材によって臨機応変な対応が求められる業務ですが、その中から定型的な事務領域を抜き出すことで、BPOを活用することが可能となります。BPOの活用で副次的に「業務の見える化」が進み、コスト削減に繋がるケースも見受けられます。

 

〇総務

組織全体に関わる業務が多く、範囲も広いですが、BPOとして抜き出す事のできる業務もいくつかあります。例えば、総務・庶務業務にフォーカスした窓口業務や、設備管理・在庫管理などです。自社で回そうとすると煩雑になりがちな業務なので、BPO導入できる部分は、積極的に検討すると良いでしょう。

 

〇経理

業務概要が定型化しやすいため、BPOに向いています。
繁忙期と閑散期の差が激しいものの、BPOを導入することで時期に応じた人員配置が可能となります。(例:債務管理・一般管理・帳票管理・社内支払・入金)

 

2.BPOとDXの相互関係

2-1.DXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を活用してビジネスプロセスや顧客体験を根本から変える取り組みです。AIやクラウドサービスを始めとする数々のデジタル技術を用いて、業務効率を大幅に改善し、新しいビジネスモデルの構築を目指します。
このDXとBPOをうまく組み合わせることで、業務の効率化が飛躍的に向上します。
BPOで効率化した業務プロセスをデジタル化することで、データの一元管理が可能となり、より高度な分析や自動化が実現するでしょう。

2-2.BPOとDXを掛け合わせる効率的な流れ

BPOとDXを掛け合わせる流れは、業務プロセスをしっかりと評価・把握し、委託もしくはデジタル化するというシンプルなものです。
業務プロセスの流れをきちんと把握することで、どの業務を外部に委託するか、もしくは自動化するかが明確になります。また、BPO業務の中でDXを駆使して効率を上げたり、DXで対応できないものはBPOを活用するなど、業務内容に沿ってBPOとDXを掛け合わせたり、使い分ける工夫も必要となってきます。

 

3.BPO導入のメリット・デメリット

3-1.メリット

〇コスト削減

企業の業績や繁閑にかかわらず発生する固定費は、場合によっては赤字などの要因にもなります。業務状況に応じて必要な分をBPOサービスに置き換えれば、恒常的に固定費として発生していた人件費などを繁閑に応じた変動費へ転化でき、コスト削減につなげられる可能性があります。

 

〇リソースの補填

コスト削減と共に見込まれる効果のひとつとして、「リソースの補填体制」を整えられる点も挙げられます。例えば多くの企業では、繁忙期や成長期に差し掛かったり、スキルを持つ人員が退職したりするタイミングで人員不足に陥りがちです。こうした際、ノンコア業務をBPO化すれば、それまでノンコア業務に携わっていた社員をコア業務へと配置転換することで、既存の体制でまかなえない業務をフォローすることが可能になります。

 

〇社外ノウハウの活用

新たなサービスをローンチする際、実現のための仕組み作りを内製化することが困難となった場合、サービスを代行できる企業へ業務を一部委託することで、人員だけでなく不足したノウハウを補うことができます。また、法制度の変更や、社内外におけるグローバル化への対応を迫られた時、社内ノウハウが乏しい場合は、従業員に大きな負担がかかる可能性があります。しかし、BPO事業者は各業務に関する専門的な知識やノウハウをもつプロフェッショナルとして多くの顧客へサービスを提供しているため、こうした大きな変化にも柔軟に対応することが可能です。

3-2.デメリット

〇頻繁な組織・体制変更に弱い

一度BPO化した業務の委託契約期間中は、業務内容や手順を大きく変更することは難しいです。そのため、急成長を遂げるベンチャー企業をはじめ、組織や体制変更を頻繁に行う企業にとっては、BPO導入に適さない場合があります。加えて、業務に関するノウハウを蓄積できず、業務の進行状況も正確に把握することができない可能性も考えられます。

 

〇情報漏洩の可能性

BPOの導入に際しては、セキュリティリスクに注意を払う必要があります。サービスの性質上、個人情報や財務情報といった重要情報を事業者と共有することも多くありますが、万が一重要情報が外部に流出してしまった場合、そのミスがBPO事業者に起因するものであったとしても、発注元企業が責任を問われる可能性があります。そのため、BPOを検討する際は、まず自社内におけるセキュリティ対策を十全に行うことに加え、セキュリティ品質基準を満たした業者を選定することも重要となります。

4.BPOとDXを掛け合わせた事例

1.自治体問い合わせ業務のBPO

自治体への問い合わせ業務への対応について、コールセンター業務に精通したBPO受託業者へ外部委託を行うことで、スムーズな対応が可能となり、住民の利便性向上を図ることができます。また同時に、AIチャットボットを併用することで、よくある質問や相談に関しては、24時間対応でAIによる自動返信を行うことも可能となります。

 

2.DXを活用したBPO業務の効率化

BPOの業務スキーム内にAIを組み込むことで、さらなる業務効率化を図ることができます。例えば帳票等の入力業務の一部は、AI-OCRによる文字認識処理等によって自動化することが可能です

 

5.まとめ

BPOとDXをうまく掛け合わせることで、企業は業務の効率を飛躍的に高めることができます。これは単なる効率化ではなく、企業が持続的に成長するための強力な手段と言えるでしょう。この記事でまとめた事例を参考に、ぜひ業務効率化を進めてみてください。