CASE
株式会社四国銀行様
統合事務集中基盤
ソリューション
四国銀行は事務センター内部で分散し各部署で個々に行っていた、手形、受入文書、税公金の業務処理を、高速大型スキャナ「ImageValue」を核とした共通イメージプラットフォームに作業を集約しました。各部門の運用を共有化した「集中システム」は作業時間の短縮化だけでなく、空き時間は他業務の応援に人員をシフトできるというメリットも生みました。新機種を導入し、2018年1月4日から稼働開始しました。
同行の事務フローには他行の関心も高く、全国の地方銀行からの見学の引き合いも多いそうです。導入効果などを業務集中部・岡林事務センター長と、現場で事務処理を担当する皆様にお話を伺いました。
背景・課題
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01
投資の抑制
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02
営業店後方事務の集中化
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03
更なる事務効率化
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04
紙媒体の取扱い
独自の「事務集中システム」の特徴
「事務集中システム」はオペレーターを1カ所に集中させているところが特徴。各業務ごとにオペレーターを配置する必要がなく、効率化、人員最適化を進めていくために有効。オペレーションセンターでは1つのクライアント端末で、7つの業務(為替、内部発生、印鑑、口振、手形、公金、汎用)に対応しエントリーが可能になっているのも1つの特徴。
岡林 氏
現システムの導入で各部門にあったスキャナがなくなり、データエントリーの場所も1カ所に集中するなど、ほとんどの部門を1フロアに集約し、レイアウトも抜本的に変更しました。目線より高いキャビネットをなくし、開放的でフロア全体を見渡す事ができます。仮にどこかでトラブルが発生してもすぐに応援を送るなどの対処ができます。これも新システムの効能です。
導入効果
ソリューション導入のカギ
インフラの共有化
人員の共有化
イメージ処理化・イメージデータ集約化
預為事務を含めた事務の再編
岡林 氏
イメージ化したデータをオペレーションセンターが精査している間の空き時間を利用し、他の業務に当てる時間が増え、全体作業の効率化が図れます。
これまでイメージを読み取った後に別途DVDに保存していましたが、現行システムでは直接サーバーへダウンロードできるため、その作業が不要になり、繁忙時では1時間ほど短縮になりました。 従来は帳票を発送してしまうと手元に現物が残りませんでしたが、今はイメージデータがあるため、営業店などからの問い合わせに対応しやすくなりました。画面のカラー化もデータの突き合わせや、問い合わせ対応の向上に一役買っています。また、パネル表示が業務に即したデザインとなっており、操作が理解しやすくなっています。新しく来た職員でも操作を覚えやすく、研修時間も短縮され、数日で業務に入れます。短期間での作業習得による人員の増加のしやすさは、朝番の人員を削り、遅番に人員をシフトするなど、繁忙時に合わせた柔軟な人員配置が可能になりました。
改善内容
高速化・認識率向上で、余剰時間を他業務に
スキャナは帳票を読み取りイメージデータ化するだけでなく、混在する手形、振込伝票類を自動で仕分け、ポケットに収納する機能を有する。従来のバーコード方式からQRコード方式になった事で、読み取り認識能力が向上、振り分け精度が上がり、分類できなかった帳票を手作業で仕分ける事が可能。
岡林 氏
帳票の仕分け作業時間が短縮され、税公金担当者は他の業務をこなす時間ができ、ほかの為替業務などに人員リソースを割く事ができます。また繁忙日はパートの増員で対応していました。しかし現在はほかのセンターから応援を入れる事によって、無駄な人員を省く事ができコスト削減の効果が出ています。
事務センターの総人員は2012年時で145人(パート含む)でしたが、これ以降、でんさいネット、マイナンバーなどさまざまな業務が集中するようになり、ピーク時には175人になりました。それが現在はこのシステム導入により109人まで削減しました。
門脇 氏(手形交換期日管理に関する手順について)
手形センターでは各営業店から受け入れた手形を、事前に前捌きをして不備がないかなどをチェックし、ImageValueで読み込み、オペレーションセンターで期日などのエントリー、要件チェックを行います。その後期日ごとに分けるために、再度ImageValueに流し金庫に格納しています。
木屋 氏(税公金の管理の流れについて)
手形同様、各営業店から収集した税公金納付書に不備がないかを確認して、ImageValueに読みこませます。その後オペレーションセンターでのデータエントリーをしたのちに、ImageValueで各税目ごとに分類します。そののち各営業店または他行宛てに発送を行っています。
国友 氏(ImageValueの導入効果について)
以前利用していたバーコードがQRコードに変わったため認識率が向上しました。その結果、分類できない現物がほぼなくなりました。これまで機械で分類できなかった現物を手作業で仕分ける時間が大幅に減りました。手作業がなくなった分、業務時間が格段に短縮されました。人数も最小限の人員で行える点が大きなメリットです。手間が減り、作業効率が上がったと日ごろから感じています。
岡林 氏(職員のスキルアップについて)
オペレーターはオペレーションセンター1カ所に集中させていますが、元々は手形や振込みなど各業務のオペレーターでした。元の業務は当然こなせますが、業務を集中した事によって、他の業務が行えるようになり業務の効率も上がりました。パートですと繁忙時のみの応援ですので、汎用性はなく複数の業務をこなす事はできません。パート、行員を削減し少数の人員で全体業務を回す事が可能になりました。 同時にオペレーションの集中化でオペレーターの処理速度、習熟度が上がり、オペミスが減りました。発生率は為替だけでも年間150万件に対し1件あるかないかです。
人員効率化の過程で、一番重要でもあり大変なのは人材の育成です。現在の人数、スタッフで全てが回るようになるには時間はかかりましたが、同じスキームの繰り返しですので1度回りだせば後々が楽です。他行様が見学に来ますが、最終的には人材育成が大切だとお話ししています。
将来に向けて
岡林 氏
読み取り精度が上がったことで作業時間が短縮されハードウェアの稼働時間は10%程度減りました。今後の課題は、この減った時間にどんな作業をするか、業務をどうやって増やしていくかが課題となっています。
営業店で保管処理している日々の伝票を事務センターに集中させる、お客様の取引印鑑届けを本部に集中しイメージ化し保存、現物保管をすることも計画しています。