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2023.05.22 金融業界

【2023年最新版!】金融業界のDX事例10選! DXのメリットについてもまとめて紹介!!

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金融業界は、顧客ニーズの変化に伴うサービスの向上や新しい規制要件、デジタル化の進展など、様々な変革が求められています。

そういった中で、金融DXは、革新的なサービスの提供やビジネスモデルの変革につながる取り組みであり、コスト削減や顧客の満足度向上などといった様々なメリットをもたらすことが期待されています。 

金融DXには、人工知能やブロックチェーン、ビッグデータなど、多様なデジタル技術が活用されます。

これらの技術を組み合わせることで、より迅速かつ正確な判断や意思決定が可能になります。 

また、金融DXは、従来の金融機関にとどまらず、テクノロジー企業やフィンテック企業など、新たな参入者にもチャンスを与えています。

1.金融DXとは

金融DXとは、金融業界においてフィンテック、AI、ブロックチェーン、ビッグデータなどの新しいデジタルテクノロジーを活用し、業務プロセスの効率化や顧客サービスの向上、新しいビジネスモデルの構築、コスト削減、ビジネスの透明性向上、イノベーションの促進など、様々なメリットを生み出す取り組みを指します。 

具体例としてはネットバンキングやスマートフォンアプリによる取引、ロボアドバイザーによる投資アドバイス、顧客データの分析によるターゲットマーケティングなどが挙げられます。

金融DXの最大のメリットは、業務プロセスの効率化によるコスト削減と顧客サービスの向上にあります。

金融業界は従来、コストが高く、煩雑な手続きも多いのが現状でした。

しかし、現在ではデジタルテクノロジーの導入によって、多大なコスト削減と業務の効率化を実現しています。

また、顧客ニーズの多様化に対応するため、ネットバンキングやスマートフォンアプリなどを通じた顧客サービスの向上も図られています。 

金融業界においてDXが進むことによって、今後ますます多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、より高い競争力を維持することが求められています。 

ここでは、金融DXの課題と解決施策、メリットについて紹介します。これまでにDXを進めている金融機関の事例も下記で紹介しています

2.現在の金融業界DX

 

金融DXは、世界中の金融業界で急速に進んでいます。

特に、COVID-19パンデミックによって、金融業界におけるDXの需要が高まり、多くの金融機関がDXを進めています。 

金融業界においてDXが進んでいる状況は、企業や地域によって異なりますが、保有する大量のデータを分析してビジネスに生かすための取り組みや、人工知能、ロボット技術などのテクノロジーの活用が進んでいます。 

さらに、金融業界におけるDXの一環として、オンラインバンキングやスマートフォンアプリの開発が進んでおり、これらのサービスは人的コストの削減だけでなく、顧客にとってより便利でスピーディーな金融取引を可能にしています。 

また、顧客との接点がオンラインに移行することで、新たなビジネスモデルの創出や顧客との関係性の強化にもつながります。 

このように、金融業界はDXを進めることで業務の効率化やコスト削減、新たなビジネスモデルの創出や顧客体験の向上など様々なメリットを得ることができるとされており、DXに積極的に取り組むことで、金融業界は今後ますます競争力を高めていくことも期待されています。 

その一方で、金融業界におけるDXは、セキュリティやプライバシーなどのいくつかの課題も抱えています。

3.金融DXにおける課題

金融業界におけるDXの課題は下記のようなものです。

 

 1、セキュリティの確保 

個人情報や金融取引情報を扱う金融業界において、情報のセキュリティは非常に重要です。

金融サービスに関する情報やデータは、機密性が高く、不正アクセスやデータ漏洩などの被害が発生すると大きな損失や信頼の失墜につながる可能性があります。

そのため、金融機関は適切なセキュリティ対策を講じることが求められます。

DXが進むことによってより多くの情報がオンラインでやり取りされるようになるため、さらに高度なセキュリティの確保、対策の強化が必要となります。 

 

2、人材確保 

金融DXにおいて、適切な人材を確保することは、重要な課題の一つです。

特に、デジタル技術を活用し、より高度な金融サービスを提供するためには、多様な専門知識とスキルが必要とされます。

DXにはプログラミングやシステム開発のスキルを持つ技術者や金融商品、法律・規制などの専門知識を持つ人材が必要となります。

しかし金融業界は競合が激しく、DXに必要な技術や知識を持った人材を確保することが難しいのが現状です。

 

 3、システムの更新 

金融機関のシステムは長い年月を経て開発されたものであり、既存のシステムを更新するためのリソースが限られていたり、システムの老朽化が進んでいることで新しい技術を導入することが困難となる場合もあります。

そのため、システムの更新が必要となりますが、更新にかかるコストや時間も課題の一つです。

 

 4、顧客体験の向上 

金融業界は、顧客からの信頼性が求められる業界であり、顧客体験の向上が課題となっています。

顧客にとって、オンラインでの取引やサービスがスムーズであることが重要であり、そのためのシステム改善や顧客に対するカスタマイズサービスの提供が必要となります。

 

 5、業界規制の変化への対応 

金融業界は、規制が厳しく、その規制が変化することがあります。

DXにおいても、この規制に対応することが必要となります。

そのため、法律や規制に精通したスタッフやコンサルタントの協力が必要となります。

 

4.金融DX事例10選

これまでにDXしている金融機関の事例として下記のような例が挙げられます。 

 

1、AIを活用した顧客対応の自動化 

AIを活用した顧客対応の自動化が進められています。

顧客の問い合わせに対して、自動応答ボットが回答することで、顧客の待ち時間を減らし、業務プロセスの効率化を図っています。

 

2、デジタルモーゲージの活用

デジタルモーゲージを活用することで、顧客はスマートフォンやPCを使って住宅ローンや審査状況の確認を行うことができます。

 

3、デジタルバンキングの推進 

デジタルバンキング(オンラインバンキングやモバイルバンキング)が推進されています。

顧客は、24時間いつでも、どこでも口座の確認や振込、投資商品の購入ができるため、利便性の向上につながっています。 

 

4、ブロックチェーン技術の活用 

ブロックチェーン技術の活用は、業務プロセスの効率化につながります。

例えば、貿易金融における書類管理や、不動産取引における契約書の管理などが挙げられます。 

 

5、ロボアドバイザーの導入

ロボアドバイザーを導入することで、顧客に対する個別の投資アドバイスを提供できます。

顧客の投資目的やリスク許容度に合わせた最適な投資商品の選定を行うことができるため、顧客の満足度の向上につながっています。 

 

6、クラウドファンディングサービスの提供 

某証券会社などでは、クラウドファンディングサービスの提供を行っています。

個人投資家が少額から投資できるため、新たな投資家の開拓につながっています。 

 

7、スマートATMの導入 

スマートATMの導入により、顧客が自分で必要な業務を行えるようになりました。

例えば、通帳記帳や現金の入出金などをスマートフォンで行うことができ、待ち時間の短縮や業務効率化につながっています。

 

8、RPAによる業務効率化 

RPA(Robotic Process Automation)を活用することで、手作業による煩雑な業務を自動化することできます。結果として、社員の負担を軽減し、顧客サービスの向上につながっています。 

 

9、AIによる自動売買の提供 

AIを活用した自動売買の提供を行うことで、顧客の投資スタイルやリスク許容度に応じた投資アドバイスを提供することができ、顧客の投資効率化を支援することができます。 

 

10、イメージファイリングツールの導入

イメージファイリングツールを導入することで、支店業務の効率化と文書保管コストの削減につながります。つまり、ペーパレス化が促進されるとともに、作業時間も大幅に削減することができます。

 

5.金融業界におけるDXのメリット

金融業界においてDXが進むことで、下記のようなメリットがあります。 

 

・コスト削減 

・業務プロセスの効率化 

・新たなビジネスモデルの創出 

・ユーザーエクスペリエンスの向上

5-1.コスト削減

金融DXにより業務の自動化が進むことで、人件費を削減することができます。

顧客サポートの自動化や、申請書類の自動処理により、従業員の労働時間を削減でき、人件費を抑えることが可能になります。

また、オンライン上での取引が増えることで、店舗の維持費用を削減することも可能になります。 

金融DXは同時にペーパーレス化へとつながります。

書類や報告書を電子化し、ペーパーレスにすることで、印刷や郵送のコストを削減したり、ファイリングや保管にかかるスペースや人件費を削減したりすることが可能です。

ペーパーレス化はデータ管理の効率化や業務プロセスの迅速化が可能になるため、生産性の向上にもつながります。

さらに、ペーパーレス化によって環境への負荷を減らすことにもつながるため、CSR活動にも一役買うことができます。

5-2.業務プロセスの効率化

金融DXによって業務プロセスの効率化も期待できます。 

例えば、ワークフローの自動化が可能になり、承認プロセスや申請プロセスの手順が自動的に処理され、時間や手間の削減が可能になるといったことが挙げられます。 

また、情報共有が迅速に行えるようになるため、クラウドストレージや共有フォルダにデータを保存することで、社内での情報共有が容易になります。 

データの整理や検索も容易になり、データベースや検索ツールを使用することで、必要な情報を迅速に検索することができたり、ペーパーレスになることで紙の書類を扱うことによるミスを軽減することも可能です。

手書きの書類による文字化けや不鮮明な文字になることを防ぎ、書類の紛失を防止することにもつながります。 

金融DXにより、業務プロセスの自動化やデータの可視化やRPAによる自動化、モバイルデバイスやクラウド技術による場所と時間の制限の解消などが期待され、これらによって金融業務の効率化が促進されます。

5-3.新たなビジネスモデルの創出

さきほど金融DXが進むことで、ペーパーレス化も進むと述べましたが、それによる新たなビジネスの展開も期待されています。

ペーパーレス化がもたらす金融業界の新たなビジネスの具体例として、以下の5つが挙げられます。 

 

1、オンライン証券取引

 ペーパーレス化により、証券取引のオンライン化が進み、新たな証券取引のビジネスモデルが生まれました。

手数料が安価で取引スピードが速く、オンラインで口座開設ができる証券会社が増え、投資家にとっての選択肢が増えています。 

 

2、AIによる投資アドバイスサービス  

蓄積された大量の取引データをペーパーレス化し、データとして保存することで、AI技術を活用して分析して顧客に合わせた投資アドバイスを提供するサービスが登場しています。

顧客の投資目的やリスク許容度に応じて、最適な投資商品を提案するサービスや、ポートフォリオの自動最適化を行うサービスが挙げられます。 

 

3、オンライン決済サービス  

ペーパーレス化により、オンライン決済サービスが一般的になりました。

例えば、スマートフォンでQRコードを読み取り、簡単に支払いができるサービスや、仮想通貨を使った決済サービスなどがあります。

これにより、現金やカード決済に比べて、スピーディーかつ安全に決済ができるようになりました。

 

4、AIを活用した顧客サービス  

銀行の顧客情報がデジタル化され、AI技術を活用した顧客サービスが普及しました。

顧客の口座情報や取引履歴を分析することで、顧客のニーズや嗜好を把握し、より個別化されたサービスを提供することができます。

 

5、データ分析を活用したリスク管理  

銀行の取引履歴や顧客情報がデジタル化され、大量のデータが蓄積されるようになりました。これにより、データ分析を活用したリスク管理が可能になり、金融犯罪の早期発見や防止に活用されるようになりました。 

ペーパーレス化は、単なるコスト削減や業務効率化だけでなく、新たなビジネスモデルの創出にもつながる可能性があります。 金融機関は自社の業務プロセスを見直し、ペーパーレス化を進めることで、顧客ニーズに合った新しいサービスの提供に挑戦していくことが重要です。

5-4.ユーザーエクスペリエンスの向上

こうした金融DXが進み、業務が効率化し新たなビジネスモデルが創出されることによって顧客の利便性が向上することも期待できます。

例えば、オンラインバンキングやモバイルバンキングによって、顧客は自宅や外出先から銀行取引を行うことができます。 

また、人工知能や自然言語処理を活用したチャットボットやロボットアドバイザーによって24時間365日、迅速かつ正確な情報提供やアドバイスを受けることも可能です。

顧客のニーズに合わせてカスタマイズされた製品やサービスの提供も可能になり、満足度の向上につながることが期待されています。

 

6.まとめ

金融DXは、顧客ニーズの変化や競争の激化に対応するため、金融業界での重要な取り組みとなっています。

デジタル化により業務プロセスの効率化やコスト削減が可能になり、業界の成長につながることも期待されています。

ただしそれには、人材やシステムの更新、業務プロセスの見直しなど、いくつかの課題も伴います。

これらの課題の解決に注力しながらDXを積極的に推進することで、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、より高い競争力を維持することができると言えるでしょう。