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2023.07.04 金融業界

【ChatGPT×金融】ChatGPTとは!?金融業界活用事例4選

#AI活用 #DX事例 #金融業界

現代の金融業界において、AI(人工知能)を活用することの重要性はこれまで以上に増しています。金融機関では、業務効率化やリスク管理の向上、顧客サービスの充実など、さまざまな領域でのAI導入が進んでいます。

 

その中で、近年注目を集めているのがChatGPTです。本記事では、ChatGPTについて詳しく説明するとともに、金融業界におけるChatGPTの活用方法について紹介します。

1.ChatGPTとは

“ChatGPT”とは、OpenAIによって開発された大規模な自然言語処理モデルです。まず、GPTとは「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プリ・トレーニド・トランスフォーマー)」を略したもので、事前学習を行う生成的なトランスフォーマーという意味になります。つまり、自発的に学習をして、アウトプットを生成するAIということです。ChatGPTは、対話形式のテキスト生成や応答を行うことができるAIモデルで、大量のテキストデータを学習し、自然言語のパターンや文脈を理解、そして応答を生成する能力を持っています。人間のような対話を模倣することを目指しており、ユーザーとの対話に正確性の高い回答をし、情報を提供します。その精度の高さから2022年後半から注目を集めています。ChatGPTの回答は必ずしも正解とは限りませんが、内容に誤りがあった場合には、ユーザーが指摘できる機能が搭載されているため、精度は日々向上していくと言われています。

2022年11月にリリースされたChatGPTはわずか1週間で100万人のユーザーを獲得し、2023年1月にはアクティブユーザー数が1億人到達と、驚異的な勢いでユーザー数を増やしています。

 

2.ChatGPTに使用される言語モデル

ChatGPTとともによく目にするようになったのが「GPT-4」です。ChatGPTはサービスであるのに対して、GPT-4は言語モデルです。つまり、ChatGPTに使われている自然言語処理技術における最新のモデルがGPT-4ということになります。
GPT-4は、Googleが2017年に発表した大規模言語モデルである「Transformer」をベースに開発されており、 精度の向上に加え、画像データ等、複数のデータ形式を入力できる「マルチモーダルAI」としてさらなる用途の拡大が期待されています。

 

これまでChatGPTに使われていた「GPT -3.5」に比べ、GPT-4はパラメーター数が増加し、訓練データも充実しているため、より高い精度での文章生成が可能で、特に文脈理解や推論能力が向上しています。また、多言語対応も強化されており、様々な言語でスムーズな対話を行うことができます。
次項ではGPT-4が搭載されたChatGPTで可能になった機能について紹介していきます。

 

3.ChatGPT(GPT-4)でできること

・文章の添削と校正、要約
ちょっとした文章の添削や校正をお願いすると、ほぼ完璧に行ってくれます。
校閲機能について学んだAIは多く存在しますが、ChatGPT(GPT-4)は校閲機能に加えて文章の校正を行うことができます。加えて、文章の要約を行うこともできます。以前は2,500文字の文章までしか要約できませんでしたが、現在は25,000文字まで要約が可能です。さらに、要約後の文字数を指定することもできます。

 

・画像での質問
写真や図、表などの入力に対応しており、読み取った画像データから何についての写真なのか認識することができます。また、写真に写っている物体や状況を判別し、写真に関する質問に答えることもできます。

 

・クリエイティブな質問に対して回答する
例えば、献立を考える時に「卵を使った料理を考えてください」と質問すると、レシピを提案してくれます。また、Excelの難しい関数についての質問等に答えることもできます。聞かれたことにYes/Noで答えるだけでなく、このように正解が一様でないクリエイティブな回答も可能になりつつあります。

 

 

・プログラミング
簡単なコードを書くことができます。まだ完璧とまではいきませんが、それなりに形になっているものを作ることが可能で、新たな可能性を秘めていることは間違いないでしょう。

 

これらのことがChatGPTでは可能になりましたが、旧バージョンよりも翻訳機能の向上や高度なレベルでの小説やメルマガが作れるなど、幅広く進化し続けています。

4.ChatGPTを活用するうえでの注意点

・情報漏洩のリスク
ChatGPTを活用する際には、機密情報の取り扱いに注意が必要です。
某半導体メーカーにおいて、ChatGPTにアップロードした情報が流出してしまった事例もあります。ただのAIチャットボットだとは思わず、最大限に注意を払って使用する必要があります。

 

・必ずしも正確な情報ではない
ChatGPTは、正確性という面ではまだ確実とは言えず、間違った内容を回答する場合があります。また、最新の情報を持っていない可能性もあります。これらの問題は、学習データの精度を向上させたり、プラグインの追加によって最新の情報を学習できるようにすることで、改善が見込めます。しかしそれでもなお、ChatGPTの出した答えを鵜呑みにすることなく、正確な情報かどうかを確かめる必要があります。

5.金融業界での活用事例

・デジタル銀行での活用
某フィンテック企業はChatGPTを使ってコード生成やメール作成、プロジェクトスコープ作成などの定型業務を行い、会議の削減などにも取り組んでいます。ChatGPTを活用することで、開発者は、より高度な作業に時間を割くことができ、基本的なコード作成はツールに任せることができます。いかなる場合でも最終確認は必要となるものの、工数の削減は明らかであり、業務効率化につながることは間違いないとされています。同社は、活動に費やす時間の最大40%削減に役立つことを確認しました。

 

・証券会社での活用
某証券会社では、情報収集や資料作成など、様々な業務でChatGPTが活用されています。これらの業務を効率化することで、接客や企画立案などの工数のかかる業務により多くの時間を割り当てることが狙いです。また、情報の正確性や情報漏洩に注意を払ったシステムを構築し、最終確認は人間が行うことで、情報の不正確性といった懸念点の解消に努めています。

 

・保険会社での活用
某デジタル保険会社では、ChatGPTを活用して顧客の問い合わせやクレーム処理を行うことで、従業員を複雑なタスクに専念できるようにしました。また、迅速な対応が可能なことから、顧客満足度の向上にも繋がっています。

 

・金融アドバイスでの活用
某金融サービスを提供する企業では、ChatGPTを活用した次世代金融アドバイスサービスの提供を開始しました。LINEのトーク画面で家計や年金、保険についての質問をすると会話形式で回答してくれます。条件を詳細に設定したり、複数の質問は段階的に分けて質問したりすることで、より的確な回答を得ることができます。その他、金融におけるコンサルティングノウハウの高度化や自動化などにChatGPTを導入する研究も行っています。

 

6.まとめ

本記事では今大注目のChatGPTについて詳しく説明し、金融業界での活用事例についても紹介しました。今後も高度化していくであろうChatGPTは多くの可能性を秘めており、金融業界への導入もさらに増えていくでしょう。