CASE
東海労働金庫(東海ろうきん)様
業務改革で営業店を事務から相談の場に
住宅ローン事前審査の業務を
「認識ポータル基盤サービス」で効率化
東海労働金庫様 は、2024年度末までに営業店の後方事務ゼロ化を目指し、事務作業の本部集中化を進め、
職員の相談業務に振り向けるための環境整備に取り組んでいます。
これまで業務負担となっていた住宅ローン事前審査の申請書類の電子化を進めるため、
プリマジェスト社のAI-OCRによるクラウド型サービス「認識ポータル基盤」を導入されました。
その背景や今後の展望について、業務改革部 IT戦略グループ 副部長の南 俊博様と
業務改革部 業務改革グループ 次長の小松 誠様にお話を伺いました。
背景・課題
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01
住宅ローン事前審査の業務が負担
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02
AI-OCRの選択やコストに不安
AI-OCR + OCR マルチエンジン制御による
住宅ローン事前審査業務の効率化により、
事務集中や審査回答時間の短縮を実現し、
事務に追われる営業店を解放し相談の場に
東海労働金庫
業務改革部
IT戦略グループ
副部長
南 俊博 様
──サービス導入の背景は?
営業店では住宅ローン事前審査の事務処理が大半を占めており、その業務負担が課題でした。これまで各営業店では紙書類を受け付け後、手入力で事前審査システムにデータを流し込んでいました。各店の事前審査業務を本部へ移管し、営業店の負担を減らしたいと考えていました。
また、これまでは書類の受付だけで終わることも多く、お客様へのご提案やお申し込みいただいた際の聞き取りに時間を割くことができていませんでした。今後はお客様来店時にご相談いただいた内容をもとに、新たな提案を生み出すような時間に変えていきたいと考えていました。
──AI-OCRに着目した理由は? ベンダ選定のプロセスは?
本部へ事務移管しても、本部でエントリー業務が発生しては、事務負担は変わらず、審査回答にも時間がかかってしまいます。
そこで紙書類をイメージデータ化、本部でAI-OCRで認識、事前審査システムへ取り込むことにしました。AI-OCRを使えば時間短縮と省力化できるのでは、とシステムを探し始めました。
しかし複数のAI-OCRベンダと面談してみると、その正読率にはバラツキがあり「数字は得意だが漢字が苦手」など決め手に欠けました。また書類の読込項目数が多いため、従量課金制のAI-OCRではコスト面に不安が残りました。
そんなときプリマジェスト社の「認識ポータル基盤サービス」に出会いました。同サービスはクラウド上の基盤に複数のOCRエンジンを搭載することができるのが特長で、任意のエンジンを適切な項目に割り当てることができました。
──システムの概要、特徴は?
当庫では現在AI-OCRの「SmartRead」とプリマジェスト社の汎用OCR「XDR-Ⅲ」という2つのエンジンを利用しています。今回の書類は読取り箇所が70項目ほどあり、数字、漢字、かななど項目ごとに適切なエンジンを割り当てて読み取り精度を高めています。
読み込み項目数によって課金されるAI-OCRでは、1枚当たりの読み取り単価が高くなってしまいます。しかしこのサービスを利用するとAIで読み込む項目を減らせ、単価を下げることができました。
また、今回の導入にあわせて、これまでの申込書フォーマットの見直しも行いました。不要な項目を削除し、新しい帳票は約50項目程度に減らした結果、書き込み欄が大きくなりOCR正読率向上にもつながりました。
※SmartReadは株式会社CogentLabsの製品・登録商標です。
導入効果
−−サービス導入の成果は?
2023年10月に導入しプロジェクトは始まったばかりですが、本部集中部門からのヒアリングによると約1/2の時間短縮になりました。書類から事前審査システムデータに取り込む時間を約1/5に短縮することを目指し、現在取り組んでいます。
Reason
プリマジェスト選定理由
OCRは初めてで不安もあったが
これまでの他金融機関での実績が安心につながった
──「認識ポータル基盤サービス」の評価ポイントは?
AI、汎用OCRを書類、読み込み項目に合わせて最適化できる点です。コストバランスに優れているだけでなく、今後新しいエンジンが登場しても、OCRベンダを変更せず現在のシステムのままエンジンを換えることができ、拡張性の高さも評価できました。
──プリマジェスト社に対する評価ポイントは?
今回OCRの取り組みは初めてで不安もありましたが、プリマジェスト社のこれまでの他金融機関での実績は安心につながりました。
システム提供のみならず、契約前のPoC(概念実証)の段階からかなりご支援いただきました。申込書類の見直しも行ったのですが、その新旧をPoCで比較していただいたり、認識率を高めるために申込書の改定アドバイスをいただくなど手厚いサポートも大変助かりました。
将来に向けて
プリマジェスト社の
業務改革の全体構築に有効な情報や
様々な知見に期待
東海労働金庫
業務改革部
業務改革グループ
次長
小松 誠 様
──利用範囲の拡大は?
財形貯蓄支払いの事務量もかなり多くありますので、まずこの業務に「認識ポータル基盤サービス」の活用を検討しています。
新しくシステムを拡張することもなく、新しい取り組みができる点を評価して導入しましたので、活用すればするほど、導入した価値が上がり、コスト削減につながると期待しています。
──今後の課題への取り組みに与える影響は?
業務改革部では、単に事務を省力化するだけでなく、浮いた時間を何に充てて、事業全体をどう変えていくかを課題とし取り組んでいます。
AI-OCRは初めての試みで不安もありましたが、新しい技術にチャレンジし試行錯誤を繰り返しながらも、今回のプロジェクトを達成したことは、自分たちの今後への大きな自信に繋がったと感じています。
──これからプリマジェスト社に望むことは?
他の金融機関も導入されている優れた製品をお持ちとのことですので、業務改革の全体構築に有効な情報提供をいただけることを期待しています。
帳票ソリューション、事務改革に関する様々な知見をお持ちなので、勉強会なども開催していただけるとうれしいです。
東海労働金庫(東海ろうきん)は1952年創立、2000年に愛知労働金庫、三重県労働金庫、岐阜県労働金庫が合併し誕生。東海地区に41店舗を展開し、「伴(とも)に歩み共(とも)に生きる 働く人たちの生涯に寄り添い続ける福祉金融機関」を目指している。
2002年6月に協同組織金融機関(信用金庫、信用組合等。系統中央金融機関は除く)としては全国で初めて、(株)格付投資情報センター(R&I)から格付「A-」を取得。2004年7月の格付更新時には、健全性が改めて評価され「A」へランクアップ。
ホームページ:https://tokai.rokin.or.jp/