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2024.02.29 BPO

BPOコンサルティングで加速するDX

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働き方改革の推進や、労働生産性を上げることは、多くの企業にとって喫緊の課題だといえるでしょう。そこで注目されているのが、経理や人事、総務などのバックオフィス業務の効率化をサポートするBPOコンサルティングです。DXを進める上でも、BPOコンサルティングは今後重要な地位を占めていくと考えられます。本記事では、BPOコンサルティングの役割や選び方のポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.BPOコンサルティングとは?

BPOコンサルティングの「BPO」とはBusiness Process Outsourcingの頭文字を取った言葉で、「業務プロセスのアウトソーシング」という意味です。主に経理や人事、総務などのバックオフィス業務などで活用されています。
単に業務を受託するのではなく、業務効率の改善や生産性向上に向けた継続的な提案や付加価値の提供を行うのが、BPOコンサルタントの使命です。コンサルティングを通して業務の効率化が行われれば、企業は自社の人材をより重要な業務へ配置できます。
また、BPOコンサルティングは、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でも重要です。DXとは多様化する顧客ニーズに対応するため、デジタル技術を駆使して自社のビジネスの変革を目指す取り組みを指します。たとえばAIを活用したビッグデータの分析と、その結果をもとにした新しい商品の開発、チャットボットの活用による顧客満足度向上や従業員の業務負担軽減などが挙げられるでしょう。バックオフィス業務の効率化を目指すBPOコンサルティングと組み合わせることで、より効果的なDXが可能になります。

1-1.一般的なコンサルティングとの違い

一般的なコンサルティングでは、経営全般に関するアドバイスを行います。たとえば、企業の経営課題の分析と解決策の提案、解決策を実行するための支援、経営戦略の立案・策定や組織改革のサポートなどが挙げられるでしょう。
一方、BPOコンサルティングでは、バックオフィス業務などの改善に向けた提案や実行支援を行うのが基本です。外部委託先の選定と管理も行うため、委託に関連するリスクや課題を適切に管理し、業務プロセスの効率化や品質向上を実現するのに役立ちます。一口にバックオフィス業務といってもカバー範囲は幅広く、ITや人事など、様々な分野にまたがるデスクワークの業務改善サポートが期待できます。また、経営の視点も踏まえながら組織全体のレベルで業務効率の改善を目指すのが、BPOコンサルティングの大きな特徴です。

1-2.BPOコンサルティングが必要な背景

【改善が必要な業務を選定するため】
業務を改善するには、その業務がどんな課題を抱えているのか把握する必要があります。しかし、そもそも課題をどうやって見つければいいのかわからず、改善が必要な業務を選定できないケースは珍しくありません。そこで求められるのが、BPOコンサルティングです。どの業務を委託すべきかの判断を第三者目線に立ってサポートしてくれるため、BPOの効果を最大限に高められるでしょう。

 

【現場と経営、双方の視点からサポートが求められるため】
BPOにおいて、現場視点のみで業務改善を進めた場合、会社全体で見たときに問題が発生してしまう事例は少なくありません。そのため、経営状態や経営戦略も考慮し、現場と経営、どちらの視点も大切にした改善策の提案や実行サポートを行ってくれるBPOコンサルティングが必要になる場合は多いでしょう。

 

2.DX推進におけるBPOコンサルティングのメリット

デジタル技術を駆使して業務効率化や自社ビジネスの在り方を変えていくDXを推進するには、そうした技術に長けた人材の確保が急務です。しかし、デジタル人材の獲得競争はどの業界でも激化しており、なかなか思うように人材が見つからない企業も多いのではないでしょうか。

そこで活用を考えたいのが、BPOコンサルティングです。BPOコンサルティングの中には、IT関連業務やIT人材育成などの分野を得意とするところもあります。こうした業者にIT関連業務を委託する、もしくはそうした業務知識を有する人材の育成を委託することで、DX推進のための人材確保が可能になります。

2-1.BPOコンサルティングのメリット

【業務の可視化と属人化の解消】
バックオフィス業務は専門性が求められるものも多く、業務が特定の人にのみ集中する属人化現象が起こりがちです。しかし、業務が属人化するとその人にかかる業務負担が大きくなる上、他のメンバーがその人の業務内容を把握できない状況に陥り、スムーズな業務遂行を妨げてしまいかねません。
そうした場合、BPOコンサルティングを使えば、業務マニュアルの整備などを行ってくれるため、誰でも業務を行えるようになり、属人化の問題が解決できます。また、複雑な業務を可視化してもらうことで、無駄な業務を省くことができ、大幅な効率化が見込めます。

 

【最新技術や知識を取り入れられる】
技術の変化や時代のニーズに応じて、業務知識は常にアップデートする必要があります。しかし、日々の業務に加え、最新の技術や知識を身に付けるのは容易ではありません。また、長年のやり方に慣れ親しんできたことで、そうした技術習得にストレスを感じてしまう従業員も存在するでしょう。そこで、BPOコンサルタントの出番です。最新の技術や知識を熟知しているのはもちろんのこと、そうしたテクノロジーを実際の業務に活かす方法を提案してくれます。

 

【異業種の視点を絡めた提案を受けられる】
より良い業務改善方法を見つけるため、様々な視点から業務プロセスを見つめ直すことは非常に大切です。しかし自社のメンバーだけでは、改善の視野が狭くなってしまうことも多くあります。
そうした状況に陥った場合、BPOコンサルタントに依頼すれば、異業種の視点を絡めた提案を受けることが可能です。バックオフィス業務はどの企業にも必ず存在する部門であり、BPOコンサルティング業者は業種の枠を超えて、様々な業務効率化のノウハウを積んでいるからです。一見自社とは関係のない業界であっても、自社の業務改善に役立つ新たな視点が見つかるかもしれません。

 

【ノウハウを自社業務に活用可能】
BPOコンサルティングを通して得た業務改善の考え方やノウハウは、コンサルティング期間が終了しても、自社業務に活かすことが可能です。たとえば、BPOコンサルティングでは最初に課題の洗い出しを行い、業務効率化が進まない根本原因を突き止めます。もし契約終了後に同様の問題が発生しても、こうした改善策を再利用することで、社内だけで解決を目指せるでしょう。

BPOコンサルティングを活用することで企業のビジネスプロセスのデジタル化と最適化を進め、競争力の強化と持続可能な成長を実現できます。総じて、BPOコンサルティングは企業がDX推進を進めるために重要な役割を果たすといえるでしょう。

2-2.BPOコンサルティングの効果をより高めるには?

【積極的なコミュニケーション】
コンサルティングの効果をより高めるには、担当コンサルタントと社内メンバーの積極的なコミュニケーションが欠かせません。メンバーが提供する情報量に相違や不足があると、コンサルタントは業務の全体像や進捗状況を把握しづらくなってしまいます。また、コンサルタントに丸投げしたままだと、業務の進捗や正常性を確認するのは難しいでしょう。
特定の社員だけがコミュニケーションを取るのも良くありません。万が一その社員が休んだり退職したりしてしまうと、業務に支障が出る恐れがあるためです。管理表で進捗を「見える化」するなど、ほかの社員も状況を確認できる体制を整えておく必要があります。

 

【KPIの設定と導入効果の振り返り】
BPOコンサルタントに業務改善を依頼する場合、その改善業務に関するKPIを設定しておきましょう。KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字をつなげた言葉で、「重要業績評価指標」という意味です。成約率や売上など、業績の評価を示す指標として使われます。コンサルティング導入効果の定期的な振り返りも重要です。業務改善を進める中で新たな問題が生じた場合、速やかにBPO業者に報告することで軌道修正してもらう必要があるからです。こうした施策を行うことで、より高い効果が期待できるでしょう。

 

【価格相場の把握】
実際にコンサルティングをお願いした後、「想定よりコストがかかってしまった」という話は後を絶ちません。社内にノウハウがない業務のコンサルを依頼する場合は特に注意が必要で、適切な納期やコストをある程度理解していないと予想外の出費につながりかねません。
BPOコンサルティングは、業種や業務ごとに価格相場が異なります。トラブルを防ぐためにも、依頼前に大まかな価格相場を把握しておきましょう。

 

3.BPOコンサルティング業者を選ぶポイント

では、コンサルティング業者を選ぶ際、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。ここでは、選び方のポイントを4つご紹介します。

3-1.セキュリティ対策の有無

依頼を検討している業者が万全なセキュリティ対策を取っているか、必ず確認してください。主にバックオフィス業務を依頼することになるため、従業員や顧客の個人情報、会社の業績など、機密性の高い情報を共有する可能性も十分あり得ます。万が一これらの情報が漏洩してしまうと、企業の信用は失墜し、莫大な損害賠償にもつながります。
コンサルティング業者のセキュリティ対策が万全か確認したいときは、ISMS認証やプライバシーマークなどの認証資格の有無をチェックしましょう。情報セキュリティに関する不祥事がなかったか事前調査を行うのも一つの方法です。契約を交わす段階で、機密情報の取り扱いについて契約書に明記しておくことも忘れてはいけません。

3-2.コストと品質のバランス

コストと品質のバランスも重要なポイントです。高い費用をかけたら必ず有効な結果が得られるわけではありませんし、かといって「安い」という理由だけで選ぶのも良くありません。あまりに安いと、課題の根本原因を突き止めるまでの調査時間自体が十分でなく、思うような結果に結び付かないリスクがあるからです。
費用の高低ではなく、提供しているサービスの品質や自社が求めているコンサルティングを実現してもらえるかに軸を置いて選ぶと失敗しにくいでしょう。出された見積もりの内訳の根拠が明確かどうかも判断基準にできます。

3-3.過去の業務実績の確認

過去の業務実績の確認も忘れてはいけません。特に、コンサルティングを依頼したい業務での実績があるかどうかは、大切なポイントです。たとえば、経理に関する業務効率化を検討している場合、総務の業務改善を中心に行ってきた業者に依頼しても、思った通りの成果は得られにくいでしょう。
業務実績を確認する中で、どういった企業がその業者に依頼しているのかもわかるはずです。可能であれば、そうした企業からの評価も確認しておきましょう。

3-4.対応業務と将来への柔軟性

提供しているサービス範囲(業務の領域)やサポート体制もチェックしてください。特定の業務に特化してコンサルティングを受けたいのか、幅広い業務をカバーできるコンサルティングを受けたいのか、自社のニーズに合致している業者を選びましょう。効率化したい業務と業者が得意としている業務領域が一致しているかどうかも重要です。また、将来への柔軟性も考慮しましょう。激しい競争社会を生き残るため、企業には常に変革が求められます。将来的にビジネスニーズの変化や業務拡大があった場合に、新たな技術の導入などに柔軟に対応してもらえるかどうかは大切なポイントです。

 

4.まとめ

バックオフィスの業務効率化や生産性向上を目指すなら、継続的な効率化の提案や付加価値の提供ができるBPOコンサルティングの活用がおすすめです。最新技術の動向を踏まえ、多角的な視点から自社の状況に最適な改善策を提案してもらえます。
コンサルティングの活用でバックオフィス業務が改善されると、企業は自社の人員をより重要な業務へ配置できます。DXを進める上でも、BPOコンサルティングはますます存在感が高まっていくでしょう。