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2024.01.26 DX導入

DX支援とは?DX支援サービスの種類と選び方

#DXツール #DX支援


DXは、AIやIoT、RPA、クラウドなどの様々なデジタル技術を駆使して業務の効率化や、新たなビジネスの創出を目指す取り組みです。ライフスタイルや働き方の多様化が進む今、DXの推進は企業にとって急務の課題といえるでしょう。とはいえ、実際にはどこから手を付ければ良いかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで活用したいのがDX支援です。本記事では、DX支援サービスの種類や選び方について解説します。

1.DX支援とは

DXは単にITツールを導入すればいいというわけではなく、そうしたツールを使いこなすスキルや、多岐にわたるIT知識を持つ人材が必要です。自社が抱えている問題点の洗い出し、事業戦略の見直し、メインシステムの選定や運用など、検討すべきことも非常に多く存在します。しかし、日々の業務をこなしながら、こうした検討を進めるのは現実的ではありません。

そこで注目されているのが、DX支援サービスです。初めてのDXはもちろんのこと、過去に挑戦したがうまくいかなかった企業のDXを、様々な方面からサポートします。専門人材が不足しており、自社だけではDXを進めることができない企業にとって、DX支援サービスの活用は効果的な選択肢の一つです。

1-1.DX支援サービスのメリット

では、DX支援サービスを受けるとどのようなメリットが得られるのでしょうか。4つのポイントを解説します。

DXの目的を明確化

いざDXを進めようとしても、「なぜやるのか」という目的が明確化されていなければ、失敗に終わるでしょう。ITツールの導入そのものが目的になってしまうと、導入後の成果に結び付かない可能性が高いです。DXの目的をはっきりさせるには、自社がどんな課題を抱えているか、そしてその課題がITシステムの導入や各種デジタル技術でどう解決できるのかを分析した上で、ビジネスモデルを構築する必要があります。また、今後導入する予定のツールに問題が隠れている可能性も否定できません。DX支援サービスでは、こうした検討のサポートを一手に引き受けています。自社の業務に合わせたツールの選定など、失敗しにくい選択肢を提案してくれるでしょう。

新しいビジネスモデルの創出

ライフスタイルや働き方が多様化し、人びとの消費行動にも大きな変化が見られるようになってきました。ITの世界でも常に技術がアップデートされています。今までは売れていた商品やコンテンツが見向きもされなくなり、代わりに新たなサービスが注目されるかもしれません。激変する時代や消費者のニーズに対応するには、企業側も知識や技術をアップデートする必要があります。そのためにも、AIやビッグデータを活用した業務のDXは重要です。膨大な量の市場データや顧客データの分析を行うことができれば、その結果をもとに、新たなビジネスモデルを創出できるかもしれません。とはいえ、自社だけで進めるには困難が伴う場合もあるでしょう。DX支援サービスを利用すれば、時代や消費者のニーズに合わせたアプローチ方法の検討が可能です。

BCP(事業継続計画)を充実させられる

BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、「事業継続計画」と訳されます。不測の事態に企業が負うリスクを最小限に抑える取り組みです。記憶に新しいのは、新型コロナウイルス感染症の拡大によるテレワークの推進でしょう。突如として現れた未知のウイルスは、世界中の経済社会に大きな打撃を与え、廃業、倒産する企業が続出しましたが、実はITツールを使った新しい働き方が生まれるきっかけにもなっています。その代表がテレワークです。時間や場所などの制約を受けにくい労働環境が整ったことで、感染拡大が収まった後も、人々は柔軟な働き方を選べるようになりました。DX支援サービスでは、このようなBCPの充実を目指したDXもサポートしています。

DXツール導入後のフォローを受けられる

どんなに素晴らしいツールやシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。実際に、「なかなかツールが現場に浸透しない」「せっかくシステムを新しくしたのに、使いこなせる社員が少ない」といった悩みを抱える企業も多いのが現実です。高いコストをかけてDXに取り組むなら、システム導入後のフォロー体制もしっかり考えておく必要があります。具体的には、マニュアルの作成や勉強会の実施などが挙げられます。DX支援サービスを使えば、こうしたフォロー施策にも対応してもらえるでしょう。

1-2.DX支援サービスのデメリット

このように様々なメリットが得られるDX支援サービスですが、一方で、デメリットも存在します。

初期費用や維持コストの発生

DXを推進するにあたっては、ほとんどの場合で新しいITツールやシステムの導入が必要になりますが、当然ながら導入には大きな費用がかかります。また、従業員へのIT教育や研修が欠かせない他、ツールやシステムの維持管理費なども必要です。これらの費用に加えて、DX支援サービスを利用する場合は、追加で人件費がかかります。経営を圧迫しないように、計画的に予算を立てましょう。なお、DX支援企業に相談すれば、それぞれの企業に合わせて費用対効果を考慮したITツールやシステムを提案してもらうことが可能です。

長期的な取り組みが必須

DXは一回行えば終わるわけではありません。消費者の求めるニーズや、ITテクノロジーは常に更新されているため、企業も柔軟に施策を変更していかなければならないからです。また、DXを必ず成功させられる方法も存在しません。成果が得られなかった場合はその都度分析や評価を行い、場合によってはツールやシステムを変更することも必要です。よって、DX支援サービスも長期的な使用を想定する必要があります。経営陣だけではなく、全社員がDX推進の意識と、DXにかかるコストへの意識を持たなければなりません。なぜDXをするのか、従業員に丁寧に説明し、理解を得たうえで進めることが大切です。

 

2.DX支援サービスの種類

DX支援サービスには様々な種類がありますが、主に利用されているのは以下の2種類です。

・デジタル技術支援サービス:技術面でのサポートを中心としたサービス
・ビジネス変革支援サービス:自社のビジネスをDX化でどう変革していくかに重きを置いた支援サービス

自社が抱えている課題を明確にし、必要なサポートが受けられるサービスを選ぶのがポイントです。
では、それぞれ詳細を見ていきましょう。

2-1.デジタル技術支援サービス

デジタル技術支援サービスは、技術面でのサポートを中心としたサービスです。自社のDX推進に不足している技術に焦点を当て、必要な支援を行います。主なサポート内容を挙げてみましょう。

・ AIやIoTの活用
・ RPAなどを使った業務自動化
・ 基盤となるシステムの設計・構築
・ データ分析
・ プロダクトやサービスのDX

サポートを受けるにあたり、レガシーシステムを使っている企業は注意が必要です。レガシーシステムは、ユーザー企業がベンダー企業に開発と運営をすべて丸投げしている場合も多く、システムエラーがあった際に自社では対応できない事態を招く恐れがあります。そうした状態はDXを妨げる要因になるため、DXを進める際は、自社で管理できるようなシステムを構築することが大切です。

2-2.ビジネス変革支援サービス

ビジネス変革支援サービスは、DXを通じて自社のビジネスを変革することに重きを置いた支援サービスのことを指します。主なサポート内容は以下の通りです。

・ DX人材の育成
・ DXを通じた戦略立案
・ DXの目的明確化
・ 新たなビジネスモデルの設計
・ 業務プロセスの改善

このうち、特に重要なのはDXを通じた戦略立案です。DXは企業の経営全体に影響を及ぼすため、DXを通して今後どのようにビジネスを進めていくかを明確にしておく必要があります。自社がどんな課題を抱えているか洗い出すことに加え、場合によっては組織体制の見直しも検討しなければなりません。DX支援サービスを利用することで、企業の未来を見据えた戦略立案をサポートしてもらえるでしょう。

 

3.DX支援サービスの選び方

企業のDXが進むにつれ、サービス事業者も増えてきました。自社の課題を把握し、必要なサポートを受けられるところを選びましょう。本章では、失敗しないDX支援サービスの選び方について解説します。

3-1.支援サービスの種類から選択

先述したように、DX支援サービスは「技術支援サービス」と「ビジネス変革支援サービス」の2種類がよく利用されます。システム構築や業務自動化など、テクニカルな面でのサポートが必要な場合は、技術支援サービスを受けましょう。DX化による業務フローの改善やDX人材の育成など、自社のビジネスに関わる部分を変えていきたいなら、ビジネス変革支援サービスを選ぶのがおすすめです。

3-2.支援方式から選択

支援サービス会社が提供している支援方式は、主に2つあります。1つは自社のDX推進プロジェクトメンバーとして常駐してもらう方式、もう1つは必要に応じて相談したりアドバイスを受けたりする方式です。どちらが良いかは一概に言えませんが、希望する方式で支援を受けられない場合、思うような成果が得られないかもしれません。自社のニーズに合う方式を選びましょう。

3-3.支援の必要性の吟味

支援サービス会社の存在は、DXを検討している企業にとって心強い味方ですが、当然ながら支援を依頼するにはコストがかかるので、自社の財務状況を考慮しなければなりません。支援内容に魅力的なサービスが含まれていると、つい「あれもこれも」と試したくなりますが、受けるサービスが増える分だけ追加費用も発生します。予算の範囲内で進めるためにも、本当に支援が必要な項目を吟味してください。

3-4.ニーズに合うサービスを受けられるか

自社のニーズに合致するサービスがあるか確認してください。会社ごとにサービス内容や得意分野が異なりますし、似たようなサービスを提供している会社でも、支援のクオリティがまったく異なるケースも珍しくありません。直接問い合わせる以外に、口コミなどの情報も参考にできます。

3-5.サポート期間の有無

サポート期間の有無もチェックしたいポイントです。もし導入したツールやシステムに何らかの不具合が生じた場合、サポート期間を過ぎていると十分なサポートを受けられないかもしれません。一方で、直接支援する期間が過ぎた後も、サポートは無期限で対応している会社もあります。万が一の事態を考え、サポート期間が長め、もしくは無期限のサービス会社に依頼しましょう。

3-6.支援実績や対応業界を確認

これまでの支援実績や対応業界の確認も欠かせません。自社が属する業界での実績があれば、より効果的なDXサポートを期待できるでしょう。どんな業界に強いのか、どんな支援方式を採っているのか、何をどう支援してどんな成果が得られたのかをチェックしておいてください。

 

4.まとめ

何から手を付けていいかわからないからといって、DXを行わないままでは、時代に取り残されてしまう可能性があります。ぜひDX支援サービスを活用しましょう。会社によって提供しているサポート内容や得意分野、支援方式、サポート期間の有無が異なるので、じっくり比較しながら検討してください。本当に必要な支援内容を見極め、自社のニーズに合う会社を選びましょう。