COLUMN

2023.08.03 DX導入

今だからこそ取り組むべき!?業務効率化について 便利ツールもご紹介

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「業務」とは、事業において継続しておこなう仕事のことを指します。一般的な「業務」の例として、 資料作成・アポイントメント取り・上司への報告などが挙げられますが、「業務効率化」とは、こうした業務プロセスの中から、「3M」などとも呼ばれる「ムリ・ムダ・ムラ」を省いて非効率な業務を改善することを指し、企業の成長における重要な課題となっています。

 

・「ムリ」とは、例えば、達成が難しいスケジュールや目標が設定されていることから、従業員への負担が大きくなっている状況で、かえってパフォーマンスが下がっている状態を指します

・「ムダ」とは例えば、定例化してしまっている習慣やビジネスの目的を達成するうえで必要のない工程のことを指します。

・「ムラ」とは例えば、人員配置が不適切で、部署や時期によって業務の偏りが大きくなっている状態のことを指します。

 

業務効率化を目指して上記のような「ムリ・ムダ・ムラ」を改善していくことが、企業にとって大きなメリットを生むことになります。

1.業務効率化の目的

業務効率化の目的は、利益の増加や生産性の向上やコスト削減などです。基本的には会社の成長を期待して多くの企業が業務効率化に取り組んでいます。業務効率化に取り組むことは、ワークライフバランスの改善など、企業側だけでなく、従業員にも良い影響を及ぼします。業務の負担が軽減されることから、仕事に対するモチベーションや満足度も高まる可能性があります。

こうした業務効率化に取り組む中で企業が気にするのは、業務効率化の際にかかる「コスト」です。このコストを気にしすぎていることで、機会損失が起こっているケースは少なくありません。目先の不利益に囚われず、業務効率化を正しく推進することができれば、業務の「ムダ」を省くことができ、従業員の労働時間も減ることから、結果的に人件費の削減が期待できます。「ムリ・ムダ・ムラ」のない働きやすい職場であれば、従業員はモチベーション高く働くことができ、会社に定着する人員も増えるでしょう。

2.業務改善に欠かせない「QCD」の考え方

QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字を並べたものです。この3つの要素はそれぞれ独立しているわけではなく、関連しあっています。 

 

・Quality(品質)・・・品質やサービスが悪いと顧客に選んでもらえない。
・Cost(費用)・・・コストは利益に直結する。
・Delivery(納期)・・・納期の遅れは、信頼の損失につながる。

 

業務改善において最大限の成果を得るためにも、これらをまとめて管理することが重要です。

 

3.業務改善の代表的な方法4選

1.作業の自動化

単調な作業は、IT技術を用いて自動化することができます。例えば、データ入力や資料作成等ではRPAツールが活用できる可能性が高いです。判断を伴わない形式通りの作業で事足りる業務を自動化することで、大幅な効率化が可能です。

 

2.ペーパーレス化

資料を全て紙で作成すると、用紙代や印刷代、保管場所の確保といった様々な面からコストが発生してしまいます。ペーパーレス化を進めることでコストの削減になるだけでなく情報共有のスピードも向上し、紙では不可能な他のシステムとの連携も可能になるため、結果として業務効率化につながります。

 

3.マニュアルの策定

組織内で完結するような業務は、マニュアル化するのが効率的です。マニュアルのない組織の場合、ある業務に対して対応できる人が限定されてしまい、担当者が不在の場合は現場に混乱が生まれます。マニュアルを作って社内で共有することでこうした問題が解消され、業務改善が期待できます。また、マニュアルを作る際は作業の洗い出しを行う必要があるため、これまでの作業に「ムリ・ムダ・ムラ」がなかったか見直せるメリットもあります。

 

4.BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用

業務を社内リソースでまかなえない場合、BPOを活用することも一つの手です。BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、業務プロセスの一部を専門業者に外部委託することです。単純な業務をBPOでこなすことで、その他の重要な業務に社内リソースを確保することができ、人員配置を上手く行えていなかった企業が一気に問題を解決するケースも多くあります。

4.業務改善ツール

〇ビジネスチャット

多種多様な働き方が進む現在、その場にいなくても手軽にコミュニケーションが取れるビジネスチャットは必要不可欠なツールです。個人チャットだけではなく、グループチャットも即座に作れるため、複数人と瞬時に情報共有できることも非常に有用です。

 

〇RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

RPAとは、パソコン上のルーティーンワークを自動実行するツールです。入力作業などの効率化を図ることができ、業務効率化や人員不足の解消に大きく役立ちます。例えば、請求書の作成や伝票入力等に用いられ、作業の失念防止にも役立てられています。

 

〇クラウドストレージ

クラウドストレージとは、インターネット上に設置されるストレージです。オンラインストレージやファイル・ホスティングとも呼ばれ、パソコン内のストレージや社内ファイルサーバーを利用しなくても、重要なデータの大量保存が可能になります。クラウドストレージの機能を併せ持つコンテンツ管理システムであれば、社内外の業務関係者にアクセス権を付与することで即座に書類やデータを共有できるため、書類の郵送などにかかる手間が生じません。

5.業務効率化の事例

1.某信用金庫の例

某信用金庫は、各種税金や公共料金の収納や、保険、証券などの窓口業務、集金代行などといったサービスまで多岐にわたる業務を扱っています。こうした業務の関係上、日々寄せられる膨大な帳票をどのように処理するかが大きな課題となっていましたが、DXツールを導入し、そうした作業をシステム化することで、業務負担の大幅な削減に成功しました。

 

2.某サービス業の例

某サービス企業では、全国に散らばっているスタッフの交通費管理を効率化するため、RPAツールを導入しました。これによって、ボタンひとつで全従業員の明細を自動的に計算し、エクセルに反映できるようになり、これまで人が何日もかけて数値を入力していた手間がなくなりました。

6.業務効率化の進め方5ステップ

1.現状を把握・分析する

業務効率化に向けてまず行うべきことは、現状の把握と分析です。現状が不透明になっていると、課題や改善すべきポイントも見えてきません。実務担当者と密なコミュニケーションを行い、課題を再確認しましょう。

 

2.優先順位をつける

課題を可視化したあとに取り組むべきポイントは、改善に必要な工数対効果を計算して、優先順位をつけることです。目先の課題に取り組むよりも、重要度の高い課題から着手していくことで、業務プロセスの改善が見込めます。

 

3.ロードマップを策定する

解決すべき課題の優先順位を決めたら、ロードマップを描いて具体的なプロセスを定めます。業務の目的を果たすためにどのような手順を踏めば効率的なのか、理想のフローを描いていきます。よく見受けられるのが、理想の業務フローを構築する前に、「ムダ」や「ムラ」がある部分へ局所的にシステムを導入してしまうことです。その場合、多額のコストをかけてシステムやツールを導入したとしても、その作業自体最初から不要だったケースがしばしばあります。目先の作業にむやみやたらとシステムやツールを導入するのではなく、理想の形を実現するためにどんなものが必要かよく考え、目的に沿うものを導入するようにしましょう。

 

4.改善案を作成する

ロードマップを作成したら、小規模で効果の出やすい施策から展開していきましょう。業務効率化は、効果が現れるまで一定の期間を要しますし、実際に期待通りの効果を挙げられるケースの方が少ないのが現実です。初めから大きな成果を求めるのではなく、小規模でも着々と改善実績を積み上げていくことが大切です。

 

5.PDCAを回す

最後に、実施した施策が有効だったかを検証しましょう。KPIの達成率を測定し、未達に終わった場合は原因を分析すると共に、施策を改善する必要があります。PDCAサイクルの中で業務プロセスの改善を図りましょう。

 

7.まとめ

業務効率化とは、業務フローの「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、効率を改善することを指します。業務効率化を達成するには、会社一丸となって取り組むことはもちろん、今までにない視点からアプローチすることが大切です。しかし、既存の体制を壊して、新しいことを始める際にはどうしても反発が出てくるものです。経営層だけでプロジェクトを推し進めるのではなく、いかにして現場を巻き込むかを常に考えることが重要です。