COLUMN

2023.07.04 DX導入

DXを活用したリモートワークによる働き方改革と業務効率化

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近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進展していますが、その中でもリモートワークは大きな注目を集めており、働き方改革や業務効率化に関する重要な取り組みとなっています。テクノロジーとリモートワークを組み合わせることで、柔軟な働き方と生産性向上の実現が期待されています。本記事では、DXによるリモートワークと業務効率化の具体的な手法やメリット・デメリットをご紹介しながら、これからの働き方について考えていきます。

1.リモートワークによる働き方改革

リモートワークとは従業員がオフィス以外の場所で業務を行うことを意味します。例えば、カフェやレンタルオフィスで仕事を行うこともリモートワークに当てはまります。インターネットを利用したテレビ会議・チャット・メールなどを用いることで、時間や場所の制約を受けずに働くことができ、育児や介護と仕事の両立も可能なことから多くの支持を集めている勤務形態です。フレキシブルな働き方を実現するリモートワークは人材確保の重要な施策となり、多くの企業で導入が進んでいます。新型コロナウィルスの流行で人々が出社できない状況が続いたことでリモートワークがより世間に浸透し、人々の働き方はさらに多様なものになっています。

2.リモートワークとテレワークの違い

リモートワークと似た用語に「テレワーク」があります。テレワークもテクノロジーを活用して時間と場所の制約を受けずに働く勤務形態のことを指し、ワークライフバランスの確立や移住による地方の地域活性化、企業の労働力の確保などがメリットとして挙げられます。リモートワークとテレワークに大きな違いはありませんが、テレワークは「雇用型」と「自営型」に分けられ、さらに働く場所によって在宅型、モバイル型、サテライトオフィス型の3つに分類されます。

 

3.リモートワークの現状

厚生労働省の調査によると、2020年のコロナウイルス流行期にリモートワークの実施率が41.3%も増加しており、働き方が大きく変わったことが見受けられました。緊急事態解除後には微減しているものの、働き方改革に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。リモートワークを開始した多くの人々が「通勤時間がなくなったため、時間を有効に使うことが可能になった」と回答しており、大きな効果があったといえます。また、時間外労働の削減や、業務プロセスの見直しに繋がることから、企業側もリモートワークのメリットを認識しています。
また、別の調査では、リモートワークの実施率は大企業の方が高く、中小企業は低いことがわかりました。中小企業においては制度作りに課題があり、リモートワークを導入しないケースも多いようです。
業種別で見ると、リモートワークの導入率はIT企業が最も高く、次いで金融業界やインフラ業界での導入が進んでいます。

 

4.リモートワークの種類

リモートワークは下記の4種類に分けられます。

 

〇ハイブリット・リモートワーク

正社員として企業に直接雇用されていて、限定的にリモートワークを実施し、出社と自宅勤務を組み合わせる働き方のことを言います。リモートワークによるコミュニケーション不足などを解決するため、この形態を採用している企業は多いです。

 

〇フルタイム・リモートワーク

出社を全くせず、ZOOMのようなWeb会議システムやスカイプなどのツールを用いてコミュニケーションを取りながら業務を行う働き方を指します。正社員として企業に雇用される点はハイブリット・リモートワークと同じです。

 

〇リモート・アウトソーシング

フルタイム・リモートワークと同じく全て社外で遠隔勤務を行いますが、企業に直接雇用されない外部契約形態であり、勤務条件も案件ごとに異なることがあります。最近は経理や人事、総務業務のアウトソーシングも多く見られるようになっています。

 

〇テンポラリー・リモートワーク

これまで紹介したパターンと異なり勤務時間が固定されず、介護や育児の合間に一時的に業務に参加する働き方です。ミーティングなども遠隔で行います。

5.リモートワークのメリット

リモートワークのメリットは以下のようなものが挙げられます。

 

・コストの削減
リモートワークによって大幅なコスト削減が期待できます。
出社する社員が減るため、オフィスの規模縮小や光熱費・通信費の削減が可能です。また、出社に伴う交通費や不要な印刷などが減少し、こうした経費を大幅にカットすることも可能になります。

 

・DXが促進される
例えば、遠隔で社内の情報を閲覧し、共有するためにはペーパレス化を進める必要があります。こうしたリモートワークへの準備を通して、結果的にDXが進むことになります。

 

・通勤時間の削減
リモートワークによって通勤時間を削減することができ、通勤にかかる時間を他の業務に充てることも可能です。満員電車に乗る必要もなく、乗客とのトラブルもなくなるため、ストレスの軽減にもつながっています。

 

・人材確保
リモートワークは従業員の住む場所を選ばないため、日本全国から優秀な人材を採用することが可能ですし、採用される側も働きやすい環境を選ぶことができるため、企業と求職者の双方にメリットのある働き方といえます。

 

・働く環境をカスタマイズできる
リモートワークの場合、自分の思い通りの環境で働くことができます。
例えば、カフェや図書館といった一番集中できる環境に身を置くことができるため、モチベーションの向上が期待できます。また、時間の調整も容易になり、個々人のタイムスケジュールに沿って働くことが可能です。

 

・離職率が低下する
育児や介護など、何らかの事情で会社でのフルタイム勤務が困難な従業員がいても、リモートワークが採用されていれば、退職に追い込まれることが少なくなります。また、近年ではワークライフバランスが重要視されており、柔軟な働き方をアピールすることで競合他社に人材が流れるリスクも減らすことができます。

6.リモートワークのデメリット

一方でリモートワークにはデメリットもあります。

 

・生産性が低下する場合がある
社員一人一人の自己管理ができていないと、逆に生産性が低下する危険性があります。また、実際の労働時間を把握することが困難なため、ルールの設置やこまめな進捗報告を通して、勤務状況の共有を行う必要があります。

 

・情報の共有が遅れる
同じ空間で仕事をしているわけではないので情報の共有が滞り、タイムロスが生まれる危険があります。このような状態を放置しておくと、予期せぬトラブルが起こった際のサポートが遅れ、会社の命運を分ける事態を招きかねません。そのためリモートワーク時は、情報のスムーズな伝達を特に意識する必要があります。

7.リモートワークによる業務阻害

一般にリモートワークは業務効率化につながると言われている一方で、業務を阻害してしまうケースもいくつか存在します。

 

・コミュニケーション不足
同じ空間で業務を行わないため、社員間でコミュニケーションが不足してしまう場合があります。例えば、対面で情報共有すればすぐ解決することでも、相談できるタイミングが合わないことで業務が止まったり、意図したことが伝わりづらい状況に陥ったりすることがあります。また、コミュニケーション不足は社員の育成も遅らせます。上司からのアドバイスやフィードバックをすぐ受けられなかったり、直属の上司以外のスキルを知る機会の損失につながることがあるためです。

 

・業務が可視化しづらい
社員に気軽に話しかけることが難しいため、タスク状況の確認や、部署としての統率が取りづらくなることがあります。社員の自己管理ができていない場合、業務スピードが落ちる可能性も高く、進捗遅れが生じかねません。また、成果物からの判断基準がメインとなるため、途中の課程や工夫が伝わりづらく、評価のギャップが生まれやすいこともリモートワークのデメリットとして挙げられます。

 

・運動不足による能率低下
運動不足は一見、業務効率と関係がないように見えますが、睡眠の質の低下につながるため、結果的に仕事の能率が落ちてしまいます。

 

それでは、リモートワークを行いながら業務効率化を図るにはどうすればいいのでしょうか?

8.業務効率化を推進するために

リモートワークによる業務効率化を図るためには、会社全体でDXを進めるべきです。
DXの推進により、リモートワークの課題であるコミュニケーション不足の問題を解決しやすくなります。例えばチャットツールは気軽に質問しやすく、進捗状況の共有に役立ちます。ツールを使って朝礼や終礼の場を設けることも情報共有の一つの案として挙げられます。他にも、時間管理をサポートするツールや業務管理に役立つツールを活用することで、集中力の保持や無理な仕事の抑制が可能となり、長時間労働の防止に繋がります。業務量や進捗状況を可視化することで納期遅れやトラブルを予防することができるのです。
また、会社全体として運動不足の解消に努めましょう。散歩を奨励したり、ラジオ体操を行うなどして心身ともに健康な状態を保つことが重要となります。

 

9.まとめ

リモートワークの導入による働き方改革と業務効率化は、DXによってより良いものとなります。業務効率化は、目に見える成果がすぐに出る場合は少ないものの、長いスパンでじっくりと取り組むことで業務が円滑に進み、良い循環をもたらします。リモートワークの良さを活かして成果を上げつつ、業務効率化にも努め、多様な働き方を推し進めていきましょう。