COLUMN DXコラム
DXするならペーパーレスから! メリットデメリットを事例を合わせてご紹介。
#DXのメリット #ペーパーレス現代のビジネス環境において、DX(デジタルトランスフォーメーション)はますます重要性を増しています。
DXを推進するためには、デジタル技術の導入や活用が必要不可欠ですが、その第一歩としてペーパーレス化は重要なステップとなります。
本記事では、ペーパーレス化の意義やメリット、取り組み方について解説し、DXを進める上での重要性について探っていきます。
1.ペーパーレスとは・・・
ペーパーレスとは、紙を使わずにデジタル化された情報を用いて業務を行うことを指します。 従来の業務プロセスにおいて、書類や伝票などの情報は紙媒体でやりとりされることが一般的でしたが、近年はデジタル化の進展により、これらの情報もデジタル媒体でやりとりされるようになってきました。
具体的には、電子メールやファイル共有サービス、クラウドストレージなどを利用して、書類やデータを電子化し、紙による書類の印刷や保管を行わずに管理することができます。
これらの取り組みによって、業務プロセスの効率化やコスト削減、情報共有の迅速化、環境保全などのメリットが得られるとされています。
近年では多くの企業や組織でペーパーレス化が進んでおり、業務の効率化や環境保全に貢献しています。
ただし、データの保護や情報漏洩等には注意が必要です。
2.DX推進の始まりはペーパーレス化
金融業界におけるDX推進の始まりも、ペーパーレス化から始まったといわれています。
デジタル化により業務の効率化やコスト削減が比較的容易に実現できることや、より高度なデジタル技術の導入や活用を進めることができるためです。
金融業界では、数多くの書類や契約が必要となるため、紙の使用量が非常に多く、その管理や保管に多大な手間とコストがかかっていました。
しかし、書類の作成や受取り、承認プロセスなどを電子化することで、これらの課題を解決することができます。
また、業務プロセスのデジタル化が進めば、人的エラーによる業務のミスや紛失リスクが低下することも期待できます。
つまり、DXを進めるためには、ペーパーレス化を実現することが必要不可欠です。
企業や組織がDXを進める際には、まずは第一歩として、ペーパーレス化を実現することが重要といえるでしょう。
3.DXがもたらす効果
金融業界は、従来から多くの紙ベースの書類を扱ってきましたが、これらの書類をデジタル化することで業務の効率化や生産性の向上を図ることができるとされてます。
現在ペーパーレス化は大幅に進んでいますが、まだ完全に実現しているわけではありません。
一部の金融機関は、モバイルアプリやWebサイトを通じた電子口座や取引履歴の提供、デジタル署名や電子契約の導入など、ペーパーレス化に向けた取り組みを進めていますが、一方で、紙文書による手続きや契約もまだまだ残っているのが現状です。
今後も技術の進歩や顧客ニーズの変化に対応し、金融業界のペーパーレス化が進んでいくことが期待されていますが、ペーパーレス化には顧客の利便性やセキュリティの確保といった課題もあります。
下記では、金融DXを進めるためにペーパーレス化することのメリット、デメリットについて紹介します。
3-1.メリット
DXがもたらす金融業界へのメリットは、以下のようなものが挙げられます。
1、コスト削減
金融機関においては、多くの紙文書が取り扱われています。
デジタル化によって、紙や印刷物の使用を減らすことができ、コスト削減につながります。
また、コピー代や郵送代、紙文書の保管や廃棄にかかるコストも削減できます。
2、ワークフローの改善
ペーパーレス化により、業務プロセスが効率化され、作業の効率が向上することが期待されています。
従来のような紙の書類では、提出から処理までに時間がかかるため、顧客とのコミュニケーションが遅れる可能性もありますが、ペーパーレス化することで顧客とのやりとりがスムーズになり、顧客満足度の向上が期待できます。
時間がかかっていた契約書類の処理も、電子契約書類であれば、調印や承認プロセスを簡素化し、作業時間を大幅に短縮することが可能になります。
また、金融業務で扱うデータを自動化し、処理を高速化することで、銀行の振り込みやクレジットカードの支払いなどの処理時間も短縮されます。
それにより、これらの作業にかかっていた人件費の削減にもつながります。
3、情報共有の促進
電子化することで、情報の共有が容易になります。
電子文書であれば、共有先の担当者に簡単に送信することができ、迅速な情報共有が可能になります。
また、共有する情報を電子化することで、複数人が同時にアクセスできる状態になります。
共同作業においては、複数人が同時にアクセスできる共有フォルダを設けることで、作業の効率化や作業の重複を防ぐことができ、会議で共有する資料も、電子的な形式にすることで共有したい資料も瞬時に共有できるようになります。
共同作業や会議でも、電子ファイルを利用することで、時間や場所に制限されずに共同作業や意見交換が可能になります。
こういった理由が、生産性を向上させる要因になっています。
4、リスクの軽減
ペーパーレス化により、紙文書の紛失や盗難、改ざんなどのリスクを低減できます。
また、電子文書は、データの暗号化やアクセス制限などのセキュリティ対策を施すことができます。
5、環境負荷の軽減
ペーパーレス化は、エコロジー的な側面からも注目されています。
紙の使用には、森林伐採や廃棄物処理など、環境に悪影響を与える問題があります。
紙の使用量を削減することによって、林業や製紙工場などの環境負荷が軽減され、印刷や郵送に伴う二酸化炭素の排出が減ることで森林の保全や環境への負荷軽減につながり、これらの問題を解決することができます。
3-2.デメリット
一方、DXがもたらす金融業界へのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。
デメリットを明確にしておくことで、DXに伴うリスクを最小限に抑え、効果的な活用を実現することができます。
1、データ漏洩のリスク
ペーパーレス化により、情報がオンラインで共有されるため、データ漏洩のリスクがあります。例えば、不正アクセスによる情報漏洩や、情報を紛失する可能性があります。
そのため、適切なアクセス権限の制限やパスワードの強化など適切なセキュリティ対策を取る必要があります。
また、ハードウェアの紛失や故障などの可能性もあるため、データのバックアップを取ることが重要となります。
2、ユーザーのトレーニングの必要性
ペーパーレス化によって、ユーザーは新しいデジタルツールやシステムを使用する必要があり、そのための十分なトレーニングや教育が必要になります。
3、導入コストがかかる
ペーパーレス化には、専用ソフトウェアやシステムなどの導入コストがかかる可能性があります。
また、データバックアップやセキュリティ対策など、継続的なコストがかかる場合があります。
4、システムの障害によるリスク
システムが中心となるため、システム障害による業務の停滞や顧客の不満が生じるリスクがあるため、システム障害に対する対策が必要となります。
4.ペーパーレス化へ舵を推進する方法
ペーパーレス化への推進方法には、以下のようなものがあります。
1、デジタルツールの導入
ペーパーレス化のためには、まずデジタルツールの導入が必要です。
代表的なデジタルツールの代表例としていくつかの例を挙げます。
・クラウドストレージ:Dropbox、Googleドライブ、OneDriveなどのクラウドストレージサービスを利用することで、ファイルの共有やアクセスが容易になります。
・電子署名:電子署名ツールを使うことで、紙の書類に署名する必要がなくなります。
そのほかにも、スキャン機器やOCR(Optical Character Recognition)ソフトウェアなど、ペーパーレス化に必要なツールを導入することで、デジタル化のスムーズな進行を支援することができます。
2、オンライン化の推進
ペーパーレス化に加えて、オンライン化を進めることも重要です。
例えば、口座開設や申込書提出などの業務をオンラインで完結させることができるようにすることで、顧客の利便性が向上し、業務効率が上がることが期待できます。
3、組織文化の変革
ペーパーレス化では、新しい方法や習慣を身に付けることが必要であり、組織全体の理解や協力が必要となっており、従来の文化に固執することなく、変化に柔軟に対応できる組織文化を作り上げることが重要です。
組織文化の変革は、多少時間がかかりますが、DXを成功させるためには欠かせない取り組みです。
4、管理体制の整備
情報セキュリティやコンプライアンスの観点から、管理体制の整備も必要不可欠です。
デジタルデータの保管や運用ルールの策定、セキュリティ対策などが必要で、ペーパーレス化に伴い、適切なデータバックアップや災害対策も必要となります。
5、顧客教育の強化
ペーパーレス化を推進するためには、顧客教育の強化も必要です。
顧客にデジタルツールの使い方を教育することで、ペーパーレス化に対する理解を深めスムーズな業務進行につながります。
また、顧客からのフィードバックを収集し、サービスやシステムの改善につなげることで、顧客満足度を高めることができます。
これらの施策により、ペーパーレス化の推進がスムーズに進行し、DXに繋がることが期待されます。
5.まとめ
DXに取り組む企業にとって、ペーパーレス化は有効なステップの一つとなります。
ペーパーレス化によって、業務プロセスを電子化し、デジタル化することで、時間とコストの削減や生産性の向上、情報セキュリティの向上、環境負荷の削減などが期待できます。
また、DXのスタートとして捉えることができるだけでなく、デジタルテクノロジーを活用したビジネスプロセスや顧客体験の変革を指します。
DXにおいて初めの一歩として取り組みやすく、導入コストも比較的低く済むため、DXに取り組む企業にとっては、重要な取り組みであると言えます。
ただし、紙の代わりにデジタルデータを取り扱うためのシステムやルールの整備が必要であり、適切な導入が求められます。
企業は、DX化の目的やニーズに合わせたペーパーレス化の戦略を策定し、取り組むことが重要です。