COLUMN

2026.08.07 金融業界

基本4情報提供サービスとは|仕組み・効果・2027年改正

#eKYC #公的個人認証/JPKI #本人確認 #犯収法改正

基本4情報提供サービスとは

マイナンバーカードを使った本人確認をめぐる議論のなかで、「基本4情報」という言葉を目にする機会が増えています。住所・氏名・生年月日・性別という4つの項目を指す言葉ですが、公的個人認証サービス(JPKI)の文脈では、複数の意味合いを含んで使われています。

この記事では、基本4情報が記録に関する整理から、本人の同意にもとづいてJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)から最新の基本4情報の提供を受ける仕組み、導入で見込まれる効果と費用の考え方までを、デジタル庁・総務省の公表資料にもとづいて整理します。あわせて、金融機関の継続的顧客管理でどこまで活用できるのか、その範囲についても触れます。制度の細目や運用上の取り扱いは今後更新されることもあるため、実務対応にあたっては最新の公表資料をあわせてご確認ください。

 

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1.基本4情報という言葉が指す3つのもの

基本4情報とは、住所・氏名・生年月日・性別の4つの情報を指します。ただし、公的個人認証サービス(JPKI)の文脈でこの言葉が使われるとき、実際には性質の異なるものが同じ呼び名で語られています。まずこの区別から整理します。

1-1.住所・氏名・生年月日・性別が記録されている場所:券面、ICチップ、署名用電子証明書

基本4情報は、マイナンバーカードの券面に記載されているほか、ICチップの中にも格納されています。さらに、公的個人認証サービスで用いる署名用電子証明書のなかにも、同じ4つの情報が記録されています。

公的個人認証サービスは、住民基本台帳で管理される基本4情報を信頼の基点として、J-LISが発行した電子証明書と、その失効情報によって本人性を確認する仕組みです。

ここで比較対象となるのが、民間事業者が自社で電子証明書の発行主体(認証局)を構築・運営する場合です。デジタル庁のガイドラインでは、民間事業者が独自で認証局を構築・運営する場合、単独での負担額は大きなものとなるとされています。これに対し公的個人認証サービスを利用する場合、認証局の役割を機構(J-LIS)が担うため、民間事業者は認証局システムの構築費用を負担する必要がありません。継続的に機構へ支払う費用は発生するものの、独自に運営する場合の費用よりも負担が少なくなることが想定される、と整理されています。あわせて、失効情報が住民基本台帳の情報をもとに管理されているため、転居や改姓といった住民票側の変更もその都度反映されます。

1-2.署名用電子証明書には基本4情報が保持されており、利用者証明用電子証明書にはない

電子証明書には「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類があり、基本4情報を保持するかどうかがその主な違いです。

申込時などに電子署名の用途で使われる署名用電子証明書には、申込者の正確な住所等の確認が必要になるため、証明書のなかに基本4情報が保持されています。一方、インターネットサイト等へのログインに使われる利用者証明用電子証明書は、本人であることが確認できればよいため、基本4情報は保持されていません。

この違いは実装にも影響します。利用者証明用電子証明書には基本4情報が記録されていないため、単体ではその証明書が誰に紐づくものかを判別できません。そのため、利用者証明用電子証明書を利用する場合には、利用者識別情報(会員ID、口座番号等)と証明書を紐づける仕組みをあわせて用意する必要があります。

1-3.J-LISから取得する最新の基本4情報

ここまでが「証明書のなかにある基本4情報」の話です。これとは別に、本人の同意にもとづいてJ-LISから最新の基本4情報の提供を受ける付加サービスが用意されています。正式には「最新の利用者情報(基本4情報)提供サービス」と呼ばれ、2023年5月16日に開始されました。

申込時に受け取る4情報と、このサービスで取得する4情報は、取得のタイミングと経路が異なります。前者は、利用者が申込時などに電子署名を行った際、送られてきた署名用電子証明書から読み取るものです。後者は、いったん取引が始まった後、住所変更などによって証明書が再発行された利用者について、事業者側からJ-LISに照会して最新の値を受け取るものです。

デジタル庁は後者について、公的個人認証サービスを用いて事前に本人から同意を受けている前提で、顧客の最新の4情報をJ-LISにいつでもオンラインで照会できるようになるサービスであり、これにより金融機関等では顧客の住所等変更をすぐに確認できるようになる、と説明しています。検討の初期段階では、自社が必要としているのがどちらなのかを明確にしておくと、要件定義での手戻りを避けやすくなります。

 

関連記事
> JPKIとは?仕組み・導入メリット・2027年法改正対応まで徹底解説

 

出典:
デジタル庁「公的個人認証サービス(JPKI)
デジタル庁・総務省「公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン(第1.8版)」

2.最新の利用者情報(基本4情報)提供サービスの仕組み

ここからは、3つ目に挙げた「最新の基本4情報提供サービス」に絞って、仕組みを順に見ていきます。実装の検討にあたっては、どのような出来事をきっかけに、誰が何を照会するのかという流れの理解が出発点になります。

2-1.署名用電子証明書の失効が起点になる

電子証明書は、一定の条件で失効します。主な失効条件は、有効期間の満了、マイナンバーカードまたはスマートフォンの紛失・盗難・故障等、そして署名用電子証明書に固有の条件として、婚姻による氏名変更や引越しによる住所変更などです。

ここで理解しておきたいのは、この失効条件です。署名用電子証明書には基本4情報が記録されているため、住民票の基本4情報が変わると、その証明書は失効します。利用者が市区町村窓口でマイナンバーカードの更新手続きを行うと、更新前の署名用電子証明書は失効し、変更後の基本4情報が記録された署名用電子証明書が再発行されます。

つまり、事業者から見ると「署名用電子証明書が失効した」という事実そのものが、顧客の基本4情報に何らかの変更が生じたことを示すシグナルになります。最新の基本4情報提供サービスは、この失効の検知を起点として設計されています。

2-2.失効の確認から最新の基本4情報を取得するまでの流れ

ガイドラインが示す流れは、おおむね次のとおりです。

 

1. 【利用者】カードを更新(更新前の証明書は失効)
利用者が引越しや改姓等により、市区町村窓口でマイナンバーカードの更新手続きを行う。更新前の署名用電子証明書は失効し、変更後の基本4情報が記録された署名用電子証明書が再発行される
2. 【PF事業者】更新前証明書の失効情報をJ-LISから取得
プラットフォーム事業者が、サービスプロバイダ事業者の求めに応じて、事前に取得していた更新前の署名用電子証明書の失効情報をJ-LISから取得する
3. 【PF事業者】署名用電子証明書の有効性を定期的に提供
プラットフォーム事業者が、サービスプロバイダ事業者と取り決めた任意の期間ごとに、署名用電子証明書の有効性について情報提供する
4. 【SP事業者】失効を確認し、最新の基本4情報を要求
サービスプロバイダ事業者が、更新前の署名用電子証明書が失効していることを確認した場合に、プラットフォーム事業者に対して最新の基本4情報の提供を求める
5. 【PF事業者】J-LISへ最新の基本4情報を要求
プラットフォーム事業者が、J-LISに対して最新の基本4情報の提供を求める
6. 【J-LIS】同意の有効期限・取消・対象項目を確認
J-LISが、あらかじめ利用者から取得している同意が有効期限内にあるか、同意の取り消しがされていないか、同意の対象項目が何かを確認する
7. 【J-LIS】同意された項目の基本4情報を提供
確認のうえ、同意された対象項目について最新の基本4情報が提供され、プラットフォーム事業者を経由してサービスプロバイダ事業者に届く

 

失効情報の確認には、CRL提供方式とOCSPレスポンダ方式の2つがあります。CRL提供方式はJ-LISから提供される失効情報の一覧を取得して照合する方式でオフラインでも確認できる一方、OCSPレスポンダ方式は照会のたびに応答用サーバへ問い合わせる方式で、より短い間隔で更新された失効情報を参照できます。どちらを採用するかは、自社の確認頻度やシステム構成に照らして検討することになります。

 

なお、実装レベルの仕様や連携手順については、プラットフォーム事業者が公開する開発者向けドキュメントが参考になります。当社の場合はPrimagest Trust Services のドキュメントサイトで、本人確認の実装仕様を公開しています。

2-3.変更が自動で通知されるわけではないプル型の設計

このサービスについて、実務上もっとも誤解が生じやすいのがこの点です。同意さえ取得すれば、顧客の住所変更が自動的に送られてくる仕組みではありません。

上の流れの3から5を見るとわかるとおり、有効性の情報提供はサービスプロバイダ事業者と取り決めた任意の期間ごとに行われ、最新の基本4情報の照会は事業者側が求めて初めて実行されます。つまり、事業者が任意のタイミングで照会・取得する設計です。

このため、導入にあたっては「どの頻度で失効を確認するか」「失効を検知した顧客に対してどの範囲で4情報を照会するか」を自社で設計する必要があります。この設計次第で、顧客情報の鮮度と運用負荷の両方が変わってきます。

2-4.プラットフォーム事業者とサービスプロバイダ事業者の役割分担

このサービスは、公的個人認証サービスの導入方式の上に成り立っています。プラットフォーム事業者がJ-LISから直接、最新の基本4情報の提供を受け、サービスプロバイダ事業者はプラットフォーム事業者を経由して間接的に提供を受ける形です。

扱えるデータの範囲にも定めがあります。取得した基本4情報は、J-LIS、署名検証者およびサービスプロバイダ事業者において保管・管理されますが、プラットフォーム事業者は保管・管理せず、サービスプロバイダ事業者へ提供した後に廃棄します。またサービスプロバイダ事業者は、本人から提出された電子証明書を保持すること、および電子証明書の発行番号を取得・保持することが禁じられています。

なお、最新の基本4情報は法令上「特定署名用電子証明書記録情報」と位置づけられ、公的個人認証法にもとづく目的外利用および提供の禁止と、秘密保持義務の対象となります。設計段階で、社内のどのシステムがこの情報に触れるのかを整理しておくことが求められます。

2-5.利用の前提となる本人同意

このサービスを利用するには、事前に利用者本人から同意を取得することが前提となります。同意は電子的に取得することとされ、紙での取得は認められていません。取得の単位はサービスごとで、有効期間は受付の翌日を起算日として10年とされています。

 

関連記事
> 基本4情報の同意取得|取り消し・運用まで解説

 

出典:
デジタル庁・総務省「公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン(第1.8版)」5 本人同意に基づく最新の利用者情報(基本4情報)提供サービスの概要
デジタル庁「公的個人認証サービス(JPKI)

3.導入で見込まれる効果と費用|事務費削減の事例

仕組みと前提条件を押さえたうえで、導入によってどのような効果が見込めるのかを整理します。

3-1.デジタル庁が示す導入前後の業務フローの変化

デジタル庁は、住所等の変更を確認する業務がこのサービスによってどう変わるのかを、導入前後の対比で示しています。

サービスを活用する前は、住所等の変更を確認するために、金融機関等の事業者は1年に1度程度、郵送で顧客に確認し顧客情報を最新化する運用が一般的でした。この運用には、顧客の住所等変更のタイミングがすぐにわからないこと、必ず返信が来るとは限らないこと、郵送費がかかること、顧客にとってもハガキへの記入・返信が手間であること、といった課題があると整理されています。

サービスを活用した後は、住所等の変更確認のために、事業者はいつでもオンラインで顧客情報を最新化できるようになります。顧客が住所等の変更を行うとすぐにわかり、往復はがきでのやり取りが不要になる、というのがデジタル庁の示す変化です。

3-2.事務費とコールセンター業務の削減事例

ガイドラインには、活用事例として具体的な効果も記載されています。

改姓や住所変更等の手続きへの活用については、導入前は利用者からの連絡をコールセンターや職員が受け付け、郵送や訪問により対応していたものが、導入後は基本4情報の変更を事業者側が把握し、所定の手続きに基づき変更するか、ネットページでのお知らせや職員による案内で変更手続きを進める形になるとされています。その効果として、利用者1人当たり1,000円程度の事務費削減、コールセンター業務の10%削減などが挙げられているほか、住所不明となる可能性を低減できること、住民票の写しの請求回数を削減できることが示されています。

また、最新の基本4情報提供への同意とマイナンバーの登録を同時に実施する場合の事例として、利用者1人当たり2,000円の事務費削減などが挙げられています。同意取得の導線を設計する際、他の手続きと束ねることで投資対効果を高められる可能性がある点は、検討に値します。

3-3.サービス提供の迅速化につながる場面

効果は、コスト削減だけにとどまりません。サービス提供の迅速化につながる場面として、終身年金保険や地震保険等の支払時に住民票の写しの提出が不要になり、手続きが迅速化する例が示されています。

顧客に書類の取得を求める工程がなくなることは、事務コストの削減であると同時に、顧客体験の改善でもあります。自社のどの業務に住民票の写し等の提出が組み込まれているかを棚卸ししておくと、適用できる範囲が見えやすくなります。

3-4.費用は「失効の確認」と「4情報の取得」で構造が異なる

費用面については、構造を押さえておくことが大切です。最新の基本4情報提供サービスにかかる費用は、電子証明書の失効情報を確認する部分と、最新の基本4情報を取得する部分とで別建てになっています。

前者はJ-LISに対する電子証明書の検証手数料に関するもので、CRL提供方式とOCSPレスポンダ方式で取り扱いが異なります。後者は、最新の基本4情報の取得に対して件数に応じて発生するもので、最新の情報がない場合には発生しないという課金構造になっています。

つまり、費用は「何件の顧客について、どの頻度で失効を確認するか」と「そのうち何件について実際に最新の情報が存在したか」によって変動します。手数料の取り扱いは更新されることもあるため、見積もりにあたってはデジタル庁およびJ-LISの最新の公表内容をご確認ください。

 

関連記事
> JPKI導入の費用・期間・流れを完全整理|PF/SP方式の違いと2027年改正への備え

 

出典:
デジタル庁「公的個人認証サービス(JPKI)
デジタル庁・総務省「公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン(第1.8版)」5(7) 最新の基本4情報提供サービスの活用事例

4.継続的顧客管理への活用と、2027年改正が整える前提

金融機関の実務担当者にとって、このサービスがもっとも関心を集めるのは、継続的顧客管理への活用可能性ではないかと思います。ここでは、どこまでをこの仕組みで対応でき、どの領域で追加対応が必要となるのかを整理します。

4-1.郵送による現況確認からイベントドリブンの更新へ

継続的顧客管理では、顧客情報を定期的に更新することが求められます。多くの金融機関では、リスクに応じた頻度で質問票等を郵送し、返送を受けて情報を更新する運用が採られてきました。

最新の基本4情報提供サービスは、この運用の一部を、定期的な一斉照会から、変更が生じた顧客を検知して個別に更新する形へ移行できる可能性があります。署名用電子証明書の失効という事実が変更のシグナルになるため、変更のなかった顧客に対して郵送を行う工程を減らせる可能性があります。

ただし、前章までに見たとおり、失効の確認頻度も4情報の照会も事業者側の設計に依存します。「導入すれば自動的に最新化される」という理解のまま運用設計に入ると、想定した効果が得られないことがあります。

4-2.金融庁ガイドラインが求める継続的な顧客管理との関係

制度上の位置づけも確認しておきます。犯罪収益移転防止法(以下「犯収法」)第11条は、特定事業者が取引時確認等の措置を的確に行うため、取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるものとすると定めています。継続的顧客管理は、この規定を土台に、金融庁のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドラインが「対応が求められる事項」として態勢を明確化しているものです。

同ガイドラインのFAQでは、顧客情報の調査手法について、郵送のほか、支店等における対面での対応や、アプリを利用する方法等、リスクに応じた対応が考えられるとされています。また、情報更新に際して信頼できる公開情報を参考にすることもあり得るとされています。

もっとも、金融庁が最新の基本4情報提供サービスを名指しで推奨している資料は、現時点で確認できていません。したがって本サービスの活用は、上記の考え方と整合する選択肢のひとつとして位置づけるのが適切です。導入にあたっては、自社のリスク評価と調査方針のなかで、どの顧客層にどう用いるかを説明できる形に整理しておくことが望まれます。

4-3.取得できるのは基本4情報に限られる

活用の範囲には明確な限界があります。このサービスで取得できるのは、住所・氏名・生年月日・性別の4項目のみです。職業、事業内容、取引目的、実質的支配者、資産・収入の状況といった項目は対象に含まれません

同ガイドラインのFAQでは、継続的顧客管理において必ずしも保有する全ての情報を一律に更新する必要はなく、リスク管理上必要な情報を調査することが求められるとされています。一方で、調査項目には資産や収入の状況、資金源等が含まれ得るとも示されています。

したがって最新の基本4情報提供サービスは、継続的顧客管理の全体を置き換えるものではなく、住所等の属性情報の鮮度を保つ部分を担う仕組みとして捉えるのが実態に近いと考えられます。質問票による調査を必要とする項目は引き続き残るため、両者の役割分担を設計しておくことが大切です。

あわせて、マイナンバーカードを保有していない顧客、同意を取得できなかった顧客への対応も残ります。全顧客をこの仕組みでカバーできるわけではないため、従来手続きとの併用を前提とした運用設計が必要になります。

4-4.非対面のJPKI一本化が利用の前提を広げる

このサービスは、顧客が公的個人認証サービスを利用していることを前提としています。その前提条件を大きく変えるのが、2027年4月1日に施行される犯収法の改正です。

非対面取引については、令和7年共同命令第3号(2025年6月24日公布、2027年4月1日施行)により、従来主流であった本人確認書類の画像送信(いわゆるホ方式)が廃止され、JPKIを中心としたICベースの方法へ原則一本化される方向です。JPKIを用いる方法は、令和7年共同命令第2号による記号の繰り下げを経て、現在は「カ方式」として整理されています。

この改正により、非対面で口座開設や契約を行う顧客は、その入口でJPKIを利用することになります。入口でJPKIを使う顧客が増えれば、その延長線上で最新の基本4情報提供への同意を取得できる母数も広がります。JPKIを利用する民間事業者は2026年4月30日時点で1,246社とされており、対応事業者の裾野も広がりつつあります。

なお、継続的顧客管理における情報の更新は、犯収法上の「取引時確認」そのものとは位置づけが異なります。すでに取引時確認を行っている顧客との再度の取引については、確認記録の保存と同一性の確認を前提に、改めて取引時確認を行うことを要しないのが原則です。ただし、なりすましや虚偽申告の疑いがある場合等はこの限りではなく、再度の取引時確認が必要になります。この切り分けは、改正後の方法をどの場面で適用するかを判断する際の前提になります。

 

関連記事
> 犯罪収益移転防止法 2027年改正を完全整理|対面IC義務化・非対面JPKI一本化と金融機関の実務対応

 

出典:
e-Gov「犯罪による収益の移転防止に関する法律
金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン
金融庁「同ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)
警察庁 JAFIC「犯罪収益移転防止法の概要

5.顧客情報の最新化を、設計から見直す機会に

最新の基本4情報提供サービスは、住所変更の確認を郵送に頼ってきた運用を見直す手がかりになります。署名用電子証明書の失効を変更のシグナルとして捉え、必要な顧客についてだけ最新の情報を取得する——この設計に切り替えることで、事務コストと顧客の手間の双方を減らせる可能性があります。

一方で、変更が自動で送られてくる仕組みではなく、失効の確認も4情報の照会も事業者側の設計に依存します。取得できるのは4項目に限られ、利用には本人同意が欠かせません。2027年4月に非対面の本人確認がJPKI中心へ一本化される局面は、同意取得の導線を設計に組み込む機会でもあります。現在の顧客情報の更新フローを棚卸しし、どの部分をこの仕組みに置き換えられるかを整理しておくことが、導入検討の出発点になります。

プリマジェストは、2026年1月にプラットフォーム事業者として主務大臣認定を取得し、同年5月13日より「Primagest Trust Services」の提供を開始しています。公的個人認証(JPKI)や基本4情報取得などをSDK/APIとして提供しており、事業者は自社での認定取得を要さず、サービスプロバイダ事業者として利用できます。同意の取得から失効の確認、最新の基本4情報の取得までを自社サービスへ組み込みやすい形で設計しており、要件定義から運用設計までの導入支援もあわせて提供しています。

 

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