CASE
株式会社西京銀行様
パッケージ採用でファイリング業務の効率化を7ヵ月で実現
山口県周南市に本店を置く地方銀行 西京銀行様は、基幹システムのクラウド化や紙の通帳を発行しない「無通帳口座」など業務効率化に積極的です。同行はコンサルティング営業強化のために営業店の事務負担軽減に注力しており、その一環として今回事務センター内にプリマジェストの「ImageValue20」を導入することで、本部の事務処理も大幅に効率化することに成功しました。検討から稼働までを7ヵ月未満の短期間で実現した導入の背景や効果、短期間での稼働の理由などを業務推進部・部長 藤井達也様と副代理 島田美奈様にお話を伺いました。
背景・課題
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01
各営業店での帳票処理、保管による事務作業が負担
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02
帳票を本部へ集約し、事務は本部に一括
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03
事務効率化による工数削減効果は営業力強化に投資
導入したソリューションは
営業店から送付されてきた本人確認書類、住所変更届など諸届業務に関する約12~3種類の帳票を、各店舗から本部に集約、本部内の事務センターに設置した高速スキャナ「ImageValue20」で読み取り画像データ(イメージ)化します。そのデータを行内イントラネット上のWeb照会システムへ登録します。行内のどこからでも端末で帳票イメージを閲覧することができます。事務センターで処理する量は全店分併せて1日平均1000枚、多い時で1500枚に上ります。
導入の背景と目的は
これまでは営業店で帳票の処理や保管をするなど事務作業が負担でした。「事務は本部に一括する」ことで、機器もキャビネットも廃止し「帳票(モノ)」も「作業」も営業店からなくす方針です。余った時間でコンサルティング営業に注力してもらうことが目的です。
その一方、当然、本部の負担が大きくなり時間も人員も必要となってきます。本部の業務効率化のためにも今回のシステムを導入しました。
事務の本部集中化は10年前から取り組んでいましたが、営業の顧客接点をより強化するために1年前からこの流れを一段と加速させました。しかし、集中化の結果、本部の要員が増加しすぎていました。本部の事務を効率化することで発生した人員を営業部門へ配置転換することが喫緊の課題でした。
導入効果
新ファイリングシステム導入による事務作業の効率化
今回の導入で時間的には1日あたり7時間費やしていた時間が1~2時間程度になりました。人員的にはこれまで6人を要していましたが2人へと削減することができ、まだ運用1か月ですが効果を実感しています。
これまでも本部では汎用ファイリングシステムを利用していましたが、人間が行っていたエントリー作業が自動化され不要になったことが一番大きな削減要因です。もう一つは運用面ですが人手で行っていたチェックが機械化で不要となったことです。ダブルチェックが不要になったのも精度の高い機器の恩恵です。
業務推進部が目指すのは前線でどうしても発生する事務作業を効率化することです。しかし大局的な観点で言えば、銀行業はサービス業であり、顧客接点の人員と時間をいかに費やせるかが大切だと考えています。
Reason
プリマジェスト選定理由
パッケージを採用し7か月間で運用開始が実現
早期に人材を営業にシフトしたい、という考えがありました。プリマジェストの場合、機器導入のスケジュールの早さ、コスト感を含め私達の求める「早期導入・運用」可能な点がポイントでした。早ければその分早く人員を営業店に配置し、顧客接点の強化につながると考えました。
ファイリング業務の電子化には銀行の規模感、処理量、目的によって合理化する方法は様々です。支店でイメージ化する、本部に集中させるなど方法があるかと思いますが、西京銀行の場合、処理数などから本部集中が最適解と考えました。この考えにもっとも適していたのが同社の提案でした。
導入の経緯について
昨年9月ごろから検討を開始し何度かご相談し、プロジェクトがスタートしたのは今年の4月でした。そして11月から本稼働開始と、実質7ヵ月間という短期間で実運用に漕ぎつけました。今回のファイリングシステムに関しては私達の要求や利用条件がシンプルだったため、カスタマイズすることもなくパッケージのままで導入できたことが短期間で実現できた理由です。
パッケージの導入はコストや時間を削減できただけでなく、カスタマイズによるリスク回避や検証時間の短縮も可能です。
金融界も朝令暮改でビジネス環境が変わっています。システム構築の長期化は、運用開始時には初期に想定したものと異なっていたり、時代の要求にあっていなかったりするケースが増えてきます。よりスピード感ある導入が大切でした。
プリマジェストとの作業で感じたこと
短期間で実現できた理由として、私達が実現したいことを良く理解して頂けたからだと思います。システムとは手段であって目的ではありません。知りたいのは機能ではなく、どうしたら実現できるかです。そのために自分たちも「何がしたいのか」ということを繰り返しリクエストしたつもりです。密にコミュニケーションを取りゴールのイメージを共有化できたことが成功の要因だと感じています。分からないことについて質問しても、スピード感を持って、真摯で的確な対応・解決策を提示してもらえたと感じています。
将来に向けて
グループ自らで行う開発自営型への移行
DXノウハウを地元地域活性化のために還元
今回のシステムはファイリング業務の効率化でしたが、同システムを利用した他行の効率化事例を聞きながら私達のスタイル・現状や目的に合ったソリューション導入に向けて意見交換をしていきたいと思います。
西京銀行は「地域に根差した中小・小規模事業さまと個人のお客さまのための銀行」の長期ビジョンのもと、地域の活性化に向けて、お客さまとのコミュニケーションを大切にしつつ、時代のニーズを先取りし創造しつづけることで、お客さまの期待に確実に応える銀行を目指しています。
そうした中、お客様の利便性の向上、営業店を中心とした事務の生産性向上を目指しています。従来、商品サービスに関するシステム開発はシステム会社に委託してきましたが、グループ自らで行う開発自営型に移行していく方針です。
西京銀行グループはシステム人材の積極的な採用や育成に取り組み、蓄積したDX(デジタルトランスフォーメーション)などのシステムノウハウを地元山口県の地域活性化やお客さまに対するにコンサルティングサービスなどの形で積極的に還元していくことも計画しています。
「Active BANK:地域を活性化する銀行」「Communication BANK:お客さまとのコミュニケーションを大切にする銀行」「Trend BANK:時代のニーズを先取りし創造していく銀行」。以上3つの言葉を組み合わせた「ACT-BANK」の基本理念のもと、コーポレートメッセージ「あなたのあしたに-ACT FOR YOU-」を掲げる。
ホームページ:https://www.saikyobank.co.jp/