CASE
株式会社近鉄百貨店様
ギフトシステム
ソリューションによる
配送処理業務の省力化と顧客管理支援
近鉄百貨店では、中元・歳暮期に訪れるお客様へのサービスクオリティの向上と受注・配送業務のさらなる効率化を目指し、プリマジェストの対面受注システム(Kits)を導入いただきました。ソリューション導入前の課題と導入効果について、店頭部門・後方部門それぞれの担当者の方にお話を伺いました。
背景・課題
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01
ギフトセンターにおけるお客様の伝票記入の手間を無くし、ご注文の煩わしさを軽減したい。
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02
シーズン終了後のお客様情報メンテナンス時の人為的な手間とミスを解消したい。
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03
時代に即した承りシステムを導入し、お客様サービスのさらなる向上を図りたい。
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04
個人情報保護のためのセキュリティ強化とお客様データの電子データ化の推進。
受注から配送までのオペレーション改善で競合に負けないお客様満足の実現へ
近鉄百貨店では、プリマジェストのギフト配送システム採用を契機にイメージ処理システムを導入いただいています。さらに中元商戦により主要4店舗が、お客様データ管理の効率化や、情報漏えいリスクの低減を目的にスキャナを用いない対面受注システム(Kits)を導入しました。そして平成19年の歳暮シーズンにはすべての直営店舗でこのシステムが稼動しています。大阪エリアでは、時期を同じくして競合店も新たなギフト管理システムを導入しつつあり、在阪の百貨店の中で遅れをとってしまうという危機感も後押しして、近鉄百貨店では新システム導入の検討を開始しています。そしてスキャナを用いない対面受注システムを先行して稼動させた他店の視察・調査を行い、新体制への移行を決定されました。
物流部担当係長
山本貴史氏
ギフトセンター課係長
嶋田正幸氏
嶋田氏
ギフトサロンでは、お客様には住所、氏名、品名等をお申込み書にご記入いただき、後方係員がマークシートした後にスキャナで読み取って、伝票を出力するという方法を採用していました。しかし、お中元・お歳暮シーズンのピーク時には非常に混雑しますので、この方法ですとお客様の手を煩わせるだけでなく、スタッフの処理にも手間がかかり待ち時間がどうしても長くなっていました。
山本氏
それまでは、ギフトのご依頼があったお客様の電話番号や商品コード、一部の指定期日だけは、申込伝票をOCRでスキャンして、データ化していたのですが、名前や住所などはお客様が実際に手で書いた文字をイメージとして読み取っていたため、完全には電子化されていませんでした。そのため、漏れや抜けなどの記入ミスが業務を停滞させる一因となっていたのです。
導入効果
システム導入のカギ
現行の後方システムや顧客データを活かす。
先行している他社事例の経験を活かせる。
他のシステムとの連携をスムーズに行える。
導入効果
・お客様がお申込み書を記入する負担を削減。
・承り業務の簡素化によりお客様の承り時間および待ち時間を短縮。
・POSレジとの連携により承り時間を大幅短縮し、入金ミスの撲滅。
・店頭カウンターで直接データを端末に入力し、店頭・後方部門が受注・配送情報をリアルタイムに共有。
・お客様データの電子化とシンクライアント導入により、個人情報漏えい対策を強化。
・承り後の後方部門でのチェック作業が削減され、配送伝票が速やかに出力できる。
・受注・配送情報の連携により、お客様からの問い合わせへの即時返答を実現。
・掛紙(のし紙)連携により筆耕作業を軽減。
改善内容
店頭からサーバに蓄積されたお客様情報を物流センターで共有してスムーズに配送
今回の対面受注システム(Kits)の導入によって、店頭カウンターで直接、データを端末に入力し、受注・配送情報をリアルタイムに共有する事が可能となり、店舗から物流センターへの連携が格段にスムーズになったといえます。また、後日、お客様リストを作る際に行っていた氏名・住所などのイメージデータのメンテナンス作業が、今回のソリューションによって解消され、人為ミスや作業面の負担も大幅に軽減されました。
店頭で入力したお客様の情報がルートサーバに蓄積されて、物流センターをはじめ、必要なとき、必要な場所で、取り出せる体制になった事を機に、平成20年の中元商戦からは配送伝票だけではなく、掛紙(のし紙)連携がスタートしました。蓄積されたお客様データの中から、必要なデータだけをソートして打ち出し、さまざまな掛紙(のし紙)印刷が可能になったのです。
嶋田氏
これまでギフトのご依頼を承る際に、名前や住所の記入漏れがあっても、店頭では気がつかず、そのまま物流センターまで情報がいってしまい、配送するという段階になってから、宛先などの情報が抜けている事に気がつく事がありました。今度のシステムでは店頭で抜けがあれば次の工程へ進む事はできませんから安心です。
山本氏
従来のシステムでは、掛紙(のし紙)の筆耕作業は、ほとんどの場合、店舗で手作業にて行っていたのですが、掛紙(のし紙)連携がスタートした事により、物流センターで自動作成が可能になりました。また、掛紙(のし紙)と配送伝票とのセットも、それぞれの印刷順に合わせるだけの簡単な作業で行う事ができます。
将来に向けて
ギフトサロンの接客サービス向上と、データ手入力による人為的なミスを解消
今回の対面受注システム(Kits)の導入により、接客業務は大きく効率化されましたが、スタッフが画面に集中してしまうことで接客業務におけるコミュニケーションが希薄になってしまうのではないかという懸念もあったといいます。しかし、実際には事務処理業務が軽減された分、お客様へアドバイスや提案などをする心の余裕がスタッフに生まれ、今まで以上に手厚い接客サービスが可能になりました。受注・配送情報をリアルタイムで情報共有できる新システムの特性を利用して、将来的には、ギフトサロンを訪れたお客様に売れ筋商品の人気ランキングをリアルタイムで表示して情報を提供したいと語る嶋田氏と山本氏。今回導入したソリューションはギフトオペレーションとしてのメリットだけでなく、掛紙(のし紙)連携やPOS連携、情報セキュリティリスクの低減、新たなお客様サービスなどさらなる可能性が期待されています。
嶋田氏
以前のように記入のために下を向いて接客するのではなく、常にお客様の顔を見ながら会話ができるので印象がよいようです。また、商品を何種類もお買い上げいただいた場合や送料込みの商品が混在した場合、従来は、商品ごとに計算しなければならなかったのですが、POSレジとの連携で合計額が自動算出されるようになり、お客様の待ち時間も短縮されました。
山本氏
従来は、シーズン終了後にお客様リストを作るための入力作業に手間と時間が必要でしたが、入力作業は店舗で済んでいるためリスト作成が非常に楽になりました。また、紙文書を介する事が少なくなったほか、端末PCにシンクライアントを採用するなど、お客様情報が外部に漏れる情報セキュリティ面のリスクも軽減されています。
大阪・奈良・京都を中心に直営店舗を展開する近鉄グループの百貨店部門。「常に小売業の原点であるお客様第一の精神に徹して、よりよい生活の提案者になること」を経営の基本とし、幅広い品揃えときめ細やかな情報・サービスを提供。地域の発展にも貢献する高質・好感百貨店を目指している。
ホームページ:http://www.d-kintetsu.co.jp/